2020年10月23日

癒しのメロトロン・オランダ編 Focus, Earth & Fire, Ekseption, Trace 〜 栄光のオランダ・プログレッシブ・ロック Mellotron

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メロトロンの傑作FocusUはオランダ以外ではMoving Wavesとして発売された。


今日の1曲
  Ekseption G線上のアリア Air 1969年
  Ekseption - Italian Concerto 1970年
  Ekseption "Ave Maria" 1971年
  Focus - Le Clochard 1971年
  Focus - Focus II 1971年
  Focus - Eruption 1971年
  Earth and Fire - Song of the Marching Children 1971年
  Earth and Fire – Memories 1972年
  EARTH AND FIRE – Atlantis 1973年
  Ekseption – Romance 1973年
  Focus - La Cathedrale de Strasbourg 1974年
  Focus – One for the road 1974年
  Trace - Gaillarde 1974年
  Trace -Final Trace 1974年
  Trace -Progression 1974年
  Trace -Memory 1974年
  Earth&Fire - Love of Life 1974年
  Earth & Fire - Only Time Will Tell 1975年
  Trace - Opus 1065 1975年
  Trace - King-Bird 1975年
 Trace – White Ladies 1976年
 Finch / Unspoken Is The Word 1977年


 エディー・ヴァン・ヘイレンの故郷がオランダで,幼少からピアノを習っていたことを知りました。そこで、「癒しのメロトロンMellotron」を軸に栄光のオランダプログレッシブロックを1969年から順に聴きなおしてみました。
 
 アムステルダムは、ニューヨークや京都などとともにヒッピーの聖地になってフラワーチルドレンが集まっていました。
 ベトナム戦争の展開と終結が音楽に及ぼした影響も顕著でした。


[ 1969年 ] 
Ekseptionの成功、Earth&Fire結成、Focus結成と反戦ミュージカルHair


 ハーグ王立音楽院で優秀な成績を修めたRick van der Lindenは、1968年にキースエマーソンのナイスの公演でバッハのブランデンブルグ協奏曲を見て、Ekseptionのクラシックロックの方向性を決定。1969年にベートーベンの運命を編曲して5週間1位になる。同年の1stアルバムで、オランダで最初と思われるメロトロンMellotronをG線上のアリアAirで使用。

Ekseption G線上のアリア Air
https://www.youtube.com/watch?v=C_I031TWIXE
2:47あたりからメロトロンM300のストリングス・メロトロンがバックに使用されていると思われる。






 オランダ初の全米ビルボード1位となったヴィーナスのショッキング・ブルーに続いて、女性ボーカルJerney Kaagman, 双子の兄弟 Chris and Gerard KoertsがビートバンドEarth&Fireを結成し、シーズンでデビュー。日本を含め、世界的にヒットする。

 Focusが結成され、12月から翌年6月まで、反戦ミュージカルHairのサポートバンドになる。


[ 1970年 ] 
Focus1stアルバム


 エクセプションがヒット曲を連発。メロトロンも使用しているがバックに流す程度だった。
 アース&ファイアーもビート系でヒット曲を出し続ける。
 
Ekseption - Italian Concerto
https://www.youtube.com/watch?v=hcBMOMPTj5o
1:39 控えめだがチェンバロのバックでストリングスメロトロンが聴こえる。

Ekseption - Italian Concerto Live
https://www.youtube.com/watch?v=8nh-j2Z81pQ
メロトロンは未使用だが、1:18のチェンバロ(クラビネット)が素晴らしい。





 Focusが1stアルバムを発表し、インスト曲シリーズ「Focus」の第1曲目Focusでメロトロンを使用する。


[ 1971年 ]
メロトロンの傑作FocusUとメロトロンによるEarth and Fireの転身


 エクセプションはオランダでヒット曲が続く。メロトロンの使用は控えめ。

Ekseption "Ave Maria"
https://www.youtube.com/watch?v=zRIi_BfW-UU
Rick van der Lindenの情熱が伝わる映像。控えめだが、2:18のエンディングでメロトロンが使用されていることが感じられる。



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 1971年10月、Focusがメロトロン史上の傑作FocusU(オランダ以外ではMoving Waves)を発表。LPはオランダで4位、全米で4位、シングルHocus Pocusも(日本では「悪魔の呪文」として)ヒット。

Focus - Le Clochard 
https://www.youtube.com/watch?v=fc1KAtDjORc
Hocus Pocusに続くA面2曲目。メロトロン史上屈指の名曲
ヤン・アッカーマン=作曲・ギター タイス・ヴァン・レアー=メロトロン

Focus II
https://www.youtube.com/watch?v=ike5HEWMrX8&list=PLA2-nXsHvm3JR4XJivpexzuOEtBIz-JiY&index=7
2:32 天空を舞う癒しのメロトロン

Eruption
https://www.youtube.com/watch?v=t3_hJ_032Z8&list=PLA2-nXsHvm3JR4XJivpexzuOEtBIz-JiY&index=8
5:08 癒しのメロトロン
17:17 メロトロンによる別次元の音





 Earth and FireもシングルA面のInvitationでハモンドオルガンを使用。
 B面の2ndアルバムの先行シングルヴァージョンSong of the Marching Childrenでは突如メロトロンを導入し、プログレッシブバンドに転身。

Earth and Fire - Song of the Marching Children シングルヴァージョン
https://www.youtube.com/watch?v=ZNzZkAd-90o
LPヴァージョンと比べるとまだ未完成。ここから練り上げられたことがわかる。

 次のLP先行シングルStorm And ThunderはA面でメロトロンを使用。
 同じバンドか?と思えるほど、ビートバンドの面影は全くない。

Earth & Fire - Storm and Thunder (Lyrics)
https://www.youtube.com/watch?v=buLyiIJKCxE

 2ndアルバムSong of the Marching Childrenは前作と全く異なるトータルアルバムになる。
 メロトロンはEkseptionの使用していたものと同じとの情報もある。

Earth and Fire - Song of the Marching Children Studio LPヴァージョン
https://www.youtube.com/watch?v=-FZ1q7UxviQ
2:18からメロトロン。シングルヴァージョンと歌詞も異なり、メロトロンサウンドもスケールアップ


日本盤シングル1971年8月Song of the Marching Children
オランダ本国とはAB面が逆。InvitationがB面になっている。
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[ 1972年 ]  
メロトロンの最大ヒット曲Earth and Fire / Memories

Earth and Fire - Song of the Marching Children Live ヴァージョン
https://www.youtube.com/watch?v=QoQXhRCxILQ
0:30メロトロンライブの貴重なカラー映像。Studioヴァージョンよりさらに深遠なメロトロン。

Earth & Fire - Memories
https://www.youtube.com/watch?v=d0vT-ERKSFs
世界的にも珍しいメロトロン漬けシングルヒット。
オランダで2週間1位。





Focusは2枚組LP「FocusV」を発表するがメロトロンは未使用。



[ 1973年 ] 
Earth and Fireのメロトロン大作Atlantis


 Focusのシングル「シルヴィア」が全英4位。英メロディ・メーカー誌での人気投票で、10年間連続でギタリスト部門のトップにいたエリック・クラプトンを抜いて、ヤン・アッカーマンがトップとなる。

 EARTH AND FIRE は全編メロトロンが使用されたトータルアルバム Atlantisを発表。イタリアンプログレッシブロックの全盛期と重なる。シングルMaybe Tomorrow, Maybe Tonightはオランダで3位となる。

EARTH AND FIRE - Atlantis
https://www.youtube.com/watch?v=KwpBkZhpGsw&t=1517s

EARTH AND FIRE - Atlantis 1973 当時の映像
https://www.youtube.com/watch?v=tm1APRmVgGk

Earth And Fire - Maybe Tomorrow, Maybe Tonight Live
https://www.youtube.com/watch?v=EGsIHi74LrE
0:07、1:15でメロトロンM400の実演が見れる。

Earth and Fire - Maybe Tomorrow Maybe Tonight. Studioヴァージョン
https://www.youtube.com/watch?v=yL6rMomAA40
0:11メロトロンM400が映る





 エクセプションのトリニティーを最後にRick van der Lindenが脱退。

Ekseption - Romance
https://www.youtube.com/watch?v=23x-Bcs3TAQ
冒頭で明らかにメロトロンが聴こえる。Traceへの移行が感じられる。


[ 1974年 ] 
Focusの傑作Hamburger Concerto 〜 Trace 1st でメロトロンが爆発

PFMとともにヨーロッパプログレッシブロックとして人気を誇ったフォーカス
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 Focus の Hamburger Concerto1974年1月録音、4月リリース。
 タイスは力強さと目的を持った最初の作品と評価し、マイク・ヴァーノンもMoving Wavesとともにベストアルバムに挙げている。


Focus - Hamburger Concerto
https://www.youtube.com/watch?v=xI5ARFrBqAA
11:20  La Cathedrale de Strasbourg メロトロンではないが厳粛な素晴らしいコーラス。
37:08 最終曲の最終パートOne for the roadでコーラスメロトロンとARP2600シンセサイザーが唸る。39:45壮大なコーラスメロトロンで幕。





1stアルバムTraceからのシングルカット
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 Rick van der LindenがキーボードトリオTraceを結成し、全編においてメロトロンが爆発する1stアルバムTraceを発表。イギリスで権威のあるライブ番組にも出演。Rick van der Lindenはキース・エマーソン、リック・ウェイクマンと並ぶキーボーディストだった。

Trace Gaillarde Mellotron実演ライブ
https://www.youtube.com/watch?v=8vsQVsib9Kk
0:33右手でハモンドを弾きながら、左手でストリングスメロトロン
1:06 上からのアングルで捉えた凄い映像。ストリングスだったメロトロンをコーラスに切り替えている。5:42からストリングスメロトロン。上からの映像はカッコよすぎる。オランダのテレビ番組のスタッフに敬服だ。
6:40 エンディングもコーラスメロトロン

Trace Gaillarde The Old Greay Whistle Test 1974 BBC
https://www.youtube.com/watch?v=kndiVcSos5c
5:58 ストリングスメロトロン

Trace / Trace 全曲
https://www.youtube.com/watch?v=7re8_gDZOFI&t=1663s
5:00  Gaillarde ストリングス+ブラスのメロトロン二重奏
18:29, 20:00 小曲の中にストリングス+コーラスのメロトロン。
27:40 Progression Moog+Strings Mellotron によるB面のハイライトで、短く編集されてシングルカットされた。
38:18 Memoryというタイトルのようにリック・ヴァン・ダー・リンデンにとって最も重要なパートのようだ。癒しのコーラスメロトロン。41:35ドラムソロの直前にブラス系メロトロン。46:00再び冒頭のコーラスメロトロン
45:20 最終曲Final Traceのラスト数秒でもMemoryのフレーズ。





 トレースは、1975年の次作BirdsのB面の大作King Birdのシングルヴァージョンを先行シングルとして1974年に発表。
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Trace / Birds  single version
https://www.youtube.com/watch?v=tWTN2mcxvRA
39:45がシングルヴァージョン。コーラスメロトロンから始まる。翌年のLPではドラムスが交替し、テーマのメロディー以外はほとんど異なる内容。


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 Earth&Fire は、1974年6月、これもメロトロン漬けのLove of LifeがTo the world of futureの先行シングルとして発売し、オランダで2位のヒット。

Earth&Fire - Love of Life
https://www.youtube.com/watch?v=Pp0gTI4BjrE
現実と非現実の境界線で吸い込まれるようなメロトロン


[ 1975年 ] 
ベトナム戦争終結 Trace / Birds


 ベトナム戦争終結により、アムステルダムのヒッピームーヴメントも終焉。
 アース&ファイアーは劇的に変化。To the world of futureがプログレッシブロックバンドとしての最後の作品といえる。

Earth & Fire - Only Time Will Tell
https://www.youtube.com/watch?v=WXLnD30_a7A
LPからカットされた寂寥感あるメロトロン曲。オランダで12位。
1975年ではケストレルと並んで世界一では。





Earth & Fire - Thanks For The Love (1975)
https://www.youtube.com/watch?v=MmqXh6ALZdI
ベトナム戦争終結で憑りつかれた魔法が解けたように全く別のバンドに変化。
Le Ormeの1976年のCanzone d’amoreを思わせる。オランダで8位。


 一方で、トレースは2ndLPのBirdsで、ダリル・ウェイのウルフにいたイアン・モズレーにドラムスを替え、ELPのようなキーボードトリオの音を極める。
 エクセプション時代にできなかったことを全て叩き込んでいるようだ。

Trace - Bourrée
https://www.youtube.com/watch?v=j3MIFrkkAM0
1曲目。エクセプションからのクラシックロックの極めつけ。メロトロン未使用。

Trace - Opus 1065
https://www.youtube.com/watch?v=K493lE0wDbQ
イントロから20秒のストリングスメロトロン、7:05からラストのフェードアウトに癒される

Trace - King-Bird
https://www.youtube.com/watch?v=8vPd5OwJ80k
20分間の緩急組曲で、随所にメロトロンが使用され見事としか言えない。
11:40のコーラスメロトロンから14:47までがこの曲の中間のハイライト。13:06のブラス系のメロトロンが頂点。
20:00から20:42のエンディングでコーラスメロトロンが響き渡る。パイプオルガンが楽器の王様で、メロトロンは女王という雰囲気。続く「回想」曲でもコーラスメロトロンが余韻を残す。





 Focusは前作で力を出し尽くしたように、1975年10月発売のMother Focusは読売新聞の批評でもFather Bach以外にかつてのFocusは感じられないと書かれた。反戦ミュージカルヘアーから始まったFocusもその使命を果たしたようだ。

"Father Bach" 
https://www.youtube.com/watch?v=hwnqQy9Q0-A
マタイ受難曲第1曲を編曲。メロトロンは未使用。


[ 1976年 ] 
オランダ・メロトロンの最後の輝き Trace / White Ladies


 トレースも前作Birdsで力を出し尽くしたように、エクセプションのメンバーのサポートで1976年に3rdアルバムWhite Ladiesを発表。
 前作のような鋭さはなく、穏やかなトータルストーリーとなっている。

Trace / White Ladies 1976
https://www.youtube.com/watch?v=uaItGq19wRE
38:45 Traceラストアルバムの最終曲も、感涙のコーラスメロトロンで幕。

  タイス・ヴァン・レアーは、ヨーロッパのマイナーなコードから離れて幸せな音楽を作りたいと述べ、ヤン・アッカーマンはFocusを離れる。
 Focusは現在に至るまで、タイス・ヴァン・レアーを中心に活動している。

Focus - Focus V
https://www.youtube.com/watch?v=27uhBtNl2EQ
未発表音源などによるShip of memoriesから。


[ 1977年 ]
栄光のオランダ・プログレッシブ・ロック

 自分にとってオランダ・プログレッシブロックの最後の輝きは、1977年、Finchの3rdアルバムの1曲目 Unspoken Is The Word。

Finch / Unspoken Is The Word 1977年
https://www.youtube.com/watch?v=c-tH3E8JnFQ
イタリアのLocanda delle fateも1977年だった。





 Earth & Fireは1979年にプログレッシブロックとの決別ともいえる「Reality fills fantasy」発表し、Weekendがオランダやドイツで1位になる。

Earth & Fire - Weekend
https://www.youtube.com/watch?v=jbvj8KU57aw

 Earth & Fireは最後のアルバム1982年のIn a State of FluxまでMellotronを使い続けました。

Van Halen - Jump 1984年
https://www.youtube.com/watch?v=bq-potK_7Ts





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posted by カンカン at 23:40| 神奈川 ☁| Comment(0) | メロトロン Mellotron  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月01日

癒しのメロトロン Mellotron ドイツ編 Wallenstein Jürgen Dollase 再び

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Cosmic Music [Gilles Zeitschiff]の付録ポスター
Jürgen Dollaseがメロトロンを使用したWitthuser und Westrupp、Wallenstein、Sergius Golowin



今日の1曲
  Witthuser und Westrupp - Die Schlusselblume 1972年
  Sergius Golowin - Die weisse Alm 1972年
  Walter Wegmüller / Der Weise 1972年〜1973年
  Wallenstein / Song Of Wire 1973年
 Wallenstein - Dedicated to Mystery Land 1973年ライブ 


 7月の長雨に続き、8月の猛暑も終わりそうな気配がしてきました。台風で大きな被害が出ないことを祈るばかりです。コロナについても、日本でも外国でも少しずつですがコンサートの告知が出るようになってきました。

 久々の「癒しのメロトロン」はドイツ編、すでにブログ「カテゴリー:メロトロン」で紹介したWallenstein、Cosmic JokersのJürgen Dollaseです。彼は幼少からピアノを学び、普段からベートーベンを弾き、セミプロとしてバーでピアノなどを演奏していました。

 Wallensteinの1stから3rdの歌詞には直接的、暗喩的にベトナム戦争が書かれ、メロトロンにも重い時代背景があります。Jürgen Dollaseの幽玄の美学ともいうべきメロトロンをもう一度振り返ってみました。


[1971年]


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Blitzkrieg時代の写真:左からHarald Grosskopf Wolfgang Steinicke Jürgen Dollase

 最初期のWallensteinはBlitzkriegというバンド名で、現在は有名な天文学者Wolfgang Steinickeがギターを担当していました。Blitzkriegの名のイギリスのバンドがあったため、Wallensteinに変更しました。

 Wallensteinの1stから8thは、Scorpionsで世界的に著名なプロデューサーDieter Dierksスタジオで制作。Scorpions以前、WallensteinはDierksが最も力を入れて最初に成功したバンドでした。WallensteinのメロトロンM400はDierksスタジオのもの。

 1971年に加入したギタリストのBill Baroneによると、DierksスタジオでWallensteinの1st録音の際、M400をJurgenが弾くときに自分がチューニングしたそうです。BaroneもMellotronが好きで、Moody Bluesのファンとのこと。

Wallenstein / Audiences [Blitzkrieg]
https://www.youtube.com/watch?v=jTHoKm0jD9o
1971年録音の1stアルバム最後の曲。6:10からラストまで、暗黒に光が射すようなストリングス・メロトロン。VocalはJerry Berkers。ベトナム戦争現地でバンド演奏の際にダンサーの銃殺と銃撃戦を体験し、そのトラウマから後にコカインで死亡。






[1972年]

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左から Bill Barone Harald Grosskopf Jürgen Dollase Jerry Berkers 
オムニバスLP「Rapunzel」より


 Wallenstein の2nd、Mother Universeは、1972年8月のフランスの音楽誌で月間ベストアルバムに選出。ドイツ本国以外で高く評価されたドイツロックの最初のLPといえます。このころはKraftwerkもTangerine Dreamも外国ではまだ無名で、Can、Amon Duul 2がイギリスで発売されていた程度でした。

Wallenstein / Mother Universe
https://www.youtube.com/watch?v=E_ATd5vRvWk
1曲目。1:12からストリングス・メロトロン。5:07「天国への階段」の影響と思われる転調を経て、ラストまでメロトロンが響き渡る。Jerry Berkersの生前葬ともいえる深い歌詞。

Wallenstein / Mother Universe 歌詞Lyrics
https://lyricstranslate.com/ja/wallenstein-mother-universe-lyrics.html





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Witthuser und Westrupp / Bauer Plath の内ジャケットのJürgen Dollase


 1972年6月には、同じPilzレーベルのフォークデュオWitthuser und WestruppのBauer PlathにBerkersベース、Harald Grosskopfドラムス、Dollaseキーボード・メロトロンがゲストで参加しています。

Witthuser und Westrupp - Die Schlusselblume [Bauer Plath]
https://www.youtube.com/watch?v=d-GewRK3bgE
冒頭から鈴のようなサウンドの背後のストリングス・メロトロンはまさに幽玄の美学。後半はMother Universeに匹敵する名演。





 さらにDollase、Berkers、Grosskopfは、Ohr、Pilzレーベルから選抜されたCosmicセッションに1972年から参加。Klaus SchulzeやManuel Gottschingらとセッションを重ねます。

Sergius Golowin - Die weisse Alm  [Lord Krishna von Goloka]
https://www.youtube.com/watch?v=ZUclO6TwqIo
Dollase作曲。Witthuser und Westruppのツインアコースティックギターと癒しのコーラス・メロトロン。 





Sergius Golowin - Die weisse Alm 別ヴァージョン [The Cosmic Jokers / Gilles Zeitschiff]
https://www.youtube.com/watch?v=QAv5ds6Kt48
9:45からDie weisse Almの別Mixで、ウインドチャイムとDollaseの語りが加えられている。この曲の前後は、Timothy Leary+Ash Ra Tempel / Seven Up。全般にKlaus Schulzeのシンセサイザーが使用された。





Walter Wegmüller / Der Weise  [Tarot]
https://www.youtube.com/watch?v=j7sV9byAAjY&list=OLAK5uy_mK2tTYWP8rE7TV0qKAGqelbB0lUuFACds&index=10
TarotアルバムでKlaus Schulze自身が詞を朗読する異色作。0:36、3:31のDollaseのコーラス・メロトロンに癒される。

Walter Wegmüller / Die Zerstörung  [Tarot]
https://www.youtube.com/watch?v=2BhPg6VoPRc&list=OLAK5uy_mK2tTYWP8rE7TV0qKAGqelbB0lUuFACds&index=18&t=0s&fbclid=IwAR3WYAZPkTBbK6exjfVRMM_AT1AxqRvAGJNqx3oFFV2tIhi0GHAX4InE2xc
ピアノ、ストリングス・メロトロンにコーラス・メロトロンが加わる陶酔の音。2枚組LPのC面の最後で、D面の大曲への導入部となる。






[1973年]


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「BRAVO LP」と印字されたWallenstein / Cosmic Centuryの2ndプレス。


Wallenstein - Dedicated to Mystery Land (1973)ライブ [Mother Universe]
https://www.youtube.com/watch?v=6ZIq2m9OCWQ
Wallensteinの当時の人気を証明するスイスTVでの驚愕のカラー映像。ボーカルだったベースのBerkersは精神に異常を来して脱退し3人で演奏。イントロで、Tangerine DreamやCosmicセッションからの影響と思われる効果音を使用。

 1973年4月〜7月ごろのDierksスタジオでのThe Cosmic JokersのセッションではGalactic Supermarketで、Dollaseがコーラスメロトロンを大胆に使用しました。

The Cosmic Jokers / Kinder des alls [Galactic Supermarket]
https://www.youtube.com/watch?v=e_icIBkF5CA
DollaseのコーラスメロトロンにKlaus Schulzeのシンセサイザー、 DollaseのPianoが絡む。Tangerine Dreamの全盛期にも匹敵するCosmic musicの傑作。





 Mother Universeで勢いを得たWallensteinは、3rdアルバムCosmic Centuryを発表。1973年11月にドイツで月間ベストアルバム「BRAVO LP」に選出されています。Song Of WireではCosmic セッションで発見したコーラスメロトロンを大々的に使用。

Wallenstein / Song Of Wire [Cosmic Century]
https://www.youtube.com/watch?v=-Qa-XHc9cV4
6:36コーラスメロトロン。7:20からラストまでが、Baroneのギターと絡むDollaseのメロトロンの最後の輝き。

Wallenstein Symphonic Rock Orchestra / Silver Arms (オーストリアTV, 1973) [Cosmic Century]
https://www.youtube.com/watch?v=t1G8OEPqTus
これもWallensteinの当時の人気を証明する貴重なカラー映像。2:13でバックにメロトロンを使用。





 Wallenstein、Jürgen Dollaseの「癒しのメロトロン」もまたベトナム戦争の終結とともに役割を果たしたと思えます。Wallensteinは4thでメロトロンの使用を止め、1977年から1981年までメンバーを変え、ポップバンドとして別の道を歩むようになりました。

Wallenstein-Charline 1978
https://www.youtube.com/watch?v=iGCjzXVPgtQ
ドイツで17位にランクされたヒット曲。


1970年代初期のドイツロックを網羅した著作



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posted by カンカン at 23:46| 神奈川 ☁| Comment(0) | メロトロン Mellotron  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月31日

癒しのメロトロン Mellotron イギリス編 グレイシャス Gracious 1st LP 1970年

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1970年ワイト島でのGraciousのメロトロンMKU(鍵盤の左・右半分で違う音が出る)


今日の1曲
  Gracious / Heaven 1970年
  Gracious / The Dream 1970年


 やっと緊急事態宣言が解除されましたが、コンサート、音楽フェスティバル、イベント、カラオケなどはまだ回復できません。
 いままで当たり前だと思っていたことが、いかに有難かったかを感じます。

 今回の「癒しのメロトロン」はイギリス編で、1970年のGraciousの1stアルバムを振り返ってみました。Gracious は1969年のKing Crimsonからの影響を受けてポップバンドから音楽性を変えています。

 King CrimsonのEpitaph、In the court of the Crimson King(イアン・マクドナルド)や1970年のIn the wake of Poseidon(ロバート・フリップ)のメロトロンが世界の最高峰であることは, 多くが認めているところだと思います。

 イアン・マクドナルドがベトナム戦争の惨状を見た衝撃からKing Crimsonができたと言われており、ピート・シンフィールドの「混乱は我が墓碑銘」というEpitaphの歌詞とともにそのメロトロンは悲壮感に包まれた厳粛なものです。


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1970年の日本盤のグレイシャスの帯。「結果として生まれたサウンド。それがグレイシャスのクラシックロックですよ」と書かれている。
 
 King Crimsonの1stのメロトロンの使用が3曲で全面的だったのに対して、Graciousの1stでは2曲で、しかも2カ所で部分的にしか使用されていません。しかし、そこではメロトロンMKUの吸い込まれるような陶酔的サウンドを聴くことができます。

 メロトロンの「普及版」M400でさえ日本で1974年に約100万円でした。1960年代に高級楽器として開発されビートルズ、キング・クリムゾンなどしか所有できなかったMKUをたった2カ所だけ自分たちの真の心の「癒し」のために使用した印象を受けます。


Gracious / Heaven
https://www.youtube.com/watch?v=CBW61eKBTHU
1:07からまさに天国のようなメロトロンがオルガンに絡む。

Gracious / The Dream
https://www.youtube.com/watch?v=uSl2O-Nso7g
8:01からのメロトロンが本アルバムの最大の聴きどころ。

Gracious / Introduction
https://www.youtube.com/watch?v=53Vs5rn9W1I
アルバム1曲目の冒頭はEkseptionのようなチェンバロが美しい。

 Graciousの1stアルバムは、もともとビートルズを目指して書き溜められた小曲集が、キングクリムゾンの大曲主義とメロトロン、ナイスなどのクラシックから引用する手法などからの影響で再構成されたように思えます。

 



Gracious ‎- Once On A Windy Day (1970)
https://www.youtube.com/watch?v=jQ4nVUD-fyE
LP未収の1970年のシングルは、フルート、ストリングスのメロトロンが使用された佳曲。


 ELPがデビューした1970年のワイト島フェスでのGraciousのMKUの貴重映像が発掘。曲は1971年の2ndアルバムに収録されるSuper Novaと思われます。2ndでのメロトロンは1stアルバムと異なり、全面的かつ攻撃的なタッチで使用されています。

Gracious at the 1970 Isle of Wight Festival
https://www.youtube.com/watch?v=sbf_5kV73I8
13:15から癒し系のストリングス・メロトロンが聴かれる。


 ビートルズ、キング・クリムゾンとともにグレイシャスのMKUはブリティッシュロックの記憶に残るでしょう。


MKU、M400などのメロトロンの歴史が語られるDVD



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2020年05月05日

癒しのメロトロン スペイン編 Mellotron in Spain 1974年 ベトナム戦争終息への時代

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Music Life 1974年6月号でのメロトロンの広告。当時の価格が887,000円 (9000Euro) 。


今日の1曲
 Canarios – Ciclosより「春」1974年
 Eduardo Bort – Yann 1974年

 前回、1974年のエディ潘とオリエントエクスプレスの 9 O’clockで、メロトロンの癒しの力に改めて気づきました。デイブ平尾やエディ潘は、ゴールデンカップスの時代背景にはベトナム戦争があったと語っていました。

 1974年はベトナム戦争が終息に向かっていく時期であり、9 O’clockのメロトロンにも緊張から解放されるような安らぎが感じられます。
 そこで、昔好きだったメロトロンの作品をもう一度振り返ってみました。

 1974年にはスペインでもメロトロン入りの傑作が2作発表されています。ロス・カナリオスは1960年代からのビートバンドでしたが、突如ビバルディの四季をアレンジした2枚組のLPシクロスCiclosをリリース。

 なぜか日本ではLP1枚に編集され別ジャケットで発売されました。
 私が入手した2枚組ドイツAriola盤は、タイトルがCyclesで豪華なブックレットもついていました。

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 シクロスでは、シンセサイザーやメロトロンを多用していますが、今でも唯一印象に残っているのは、「春」の第3楽章の1カ所で感動的に使われるストリングスメロトロンです。昔もそこばかり聴いていました。

Canarios - Ciclos (Álbum completo)
https://www.youtube.com/watch?v=Za4DxmWkPak
13:20〜13:55 本作品中、最も印象的なストリングスメロトロン





 スペインのメロトロンではEduardo Bortも素晴らしい。最近来日して日本でもライブを行っています。最後の曲Yannの最終パートでは、フルートとストリングスを混ぜたようなメロトロンの哀愁漂うメロディーに癒されながらフエードアウトしていきます。

Eduardo Bort - Yann
https://www.youtube.com/watch?v=V4kxSmlVb28
8:35からラストまで癒しのメロトロン。宇宙でギターを弾くジャケットの世界が広がる。


オリジナルLPはジャケットが縦に拡がって、宇宙にBortが座っていたと思います。



 Los Canarios、Eduardo Bortのメロトロンは、いずれも1974年のベトナム戦争の終息と安らぎへの音と言えるでしょう。
 コロナの戦いも早く終息に向かうことを願うばかりです。

「免疫力を高める生活をしましょう!」(所沢市のホームページより)
https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/kenko/karadakenkou/hoiryo20200316135050451.html


 Eduardo Bort は今年亡くなっていたことがわかりました。
 一度だけ「今、Yannを聴いています」というメールを交換したことがありました。
 RIP Eduardo Bort (1948-2020)

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2020年04月27日

癒しのメロトロン・日本におけるメロトロン使用曲・名曲選U Mellotron in JapanU

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エディ潘とオリエントエクスプレス1974年唯一のアルバム




今日の1曲
 エディ潘とオリエントエクスプレス / 9 O’clock

 
 今回は、昨年8月以来の日本でのメロトロン使用曲です。

  癒される音楽を探していたところ、前回のブログで紹介したゴールデンカップスが1972年に解散した後に結成されたエディ潘とオリエントエクスプレスの1974年の唯一のアルバムがみつかりました。LP発売当時Music Lifeの「Folk & Rock in Japan」のコーナーで見て、ジャケットが印象に残ったものの、ずっと入手困難でした。

 ホーンセクション入りのソウルファンク系の明るい音に癒されていると、メロトロンの音が聴こえてきました。4曲で使われています。軽快なアメリカンロックの中に、ヨーロッパの風が吹き込むようで心が爽やかになります。
  
  特に素晴らしいのが、ラストの9 O’clockです。エディ潘の優しい声のボーカルを包むストリングス、ブラスのメロトロンが美しく、フルートのメロトロンのソロも入ります。1日10回以上繰り返し聞いています。これほど新しい曲にはまり込むのは久しぶりです。

 エディ潘はインタビューで、キングクリムゾンの1stの詞について語っていたので、メロトロンも好きだったのではないかと思われます。このLPでメロトロンを弾いているのは、スパイダース、PYGのキーボード大野克夫です。

エディ潘とオリエントエクスプレス
https://www.youtube.com/watch?v=mCvEYCLGb3U&t=1567s
39:30 から「9 O’clock」 アコギ、ピアノの響きも癒される。


 このエディ潘とオリエントエクスプレスの音は、1972年のイタリアのCiro Dammiccoのメロトロン入りの歌曲集を思い起こさせました。
 イギリスと日本とアメリカとイタリアがつながったような気がします。

CIRO DAMMICCO / FORSE DOMANI RITORNO DA TE 1972
https://www.youtube.com/watch?v=s71URHfQRW0




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2019年08月03日

熱さで暑さを吹き飛ばす メロトロンMellotron編

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本物のメロトロンの内部。録音テープが並んでいて、鍵盤を押すと鳴るという凄い仕組み



今日の1曲

<U-1314>  Genesis Watcher of the Skies Live

<U-1315>  King Crimson - Easy Money - 6/25/1973

<U-1316>  Czesław Niemen & Aerolit - Cztery ściany świata 1974

<U-1317>  Earth and Fire - Song of the Marching Children

<U-1318> Tangerine Dream "Ultima Thule Part 1"



 34度という暑さが続いております。そこで、今回は、前回のメロトロン特集に続いて、熱さで暑さを吹き飛ばすというテーマでメロトロン実物を弾くライブ映像を集めてみました。


 まずは王道ジェネシス全盛期。

1973年メロディーメーカーのライブパフォーマンス部門で1位だったころ。


Genesis Watcher of the Skies Live


1:35神妙にメロトロンを聴くガブリエルとフィルコリンズ 6:30最後に爆発






 キングクリムゾンは初期に残念ながらメロトロン実演映像がありません。後期はいくつか残っています。


King Crimson - Easy Money - 6/25/1973


イケメンメロトロン






 続いて、ポーランドのヒーロー、ニーメン。


Czesław Niemen & Aerolit - Cztery ściany świata (Sopot 1974)


8:00 あるようで見たことのないメロトロン弾き語り(鍵盤がすごく重いとのこと)。

 かっこいい。他の部分もすごい。


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PC+DAWソフト+メロトロンソフトで自分でメロトロンの音が出せます。








 女性ボーカルとメロトロン。1972年


Earth and Fire - Song of the Marching Children


別次元


Earth & Fire - Memories


これだけメロトロン漬けでシングルヒットというのは珍しい。オランダで2位。






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 ライブではありませんが最後は極めつけ

 タンジェリン・ドリーム。プログレシングルの極北Ultima Thule


Tangerine Dream "Ultima Thule Part 1"




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2019年07月25日

日本におけるメロトロン使用曲・名曲選 Mellotron in Japan

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メロトロンの幻のパンフレット


今日の1曲
ザ・スリー・ディグリーズ - 天使のささやき live in Japan 1976
チューリップ「風のメロディ」
Mops / Nobody Cares



 今回は、日本でのメロトロン使用曲の特集です。メロトロンの記事は5年ぶりになります。今まで紹介した日本のメロトロンは、稲田保雄の「感覚思考」、BUZZの「レクイエム・イン・ザ・シティ」の中の「まちのうた」、ピーナッツの「エピタフ」のライブです。


メロトロン誕生の歴史、世界の使用ミュージシャンを紹介したDVD



 今回は、意外なところから、スリー・ディグリーズ 「天使のささやき」の日本での人気絶頂期のテレビでのライブ。名曲冒頭でのまさかのメロトロン・ストリングスに引き込まれます。あえて生のストリングスを使わなかった編曲家に敬意を表します。

ザ・スリー・ディグリーズ - 天使のささやき(1976)
https://www.youtube.com/watch?v=9ZxM3XbwZ2I

 次は、チューリップの隠れたシングル「風のメロディ」。大仰ではない単音のストリングスが逆に情感を引き立てています。特に3番でそれまでの単音が2和音になる部分が詞と相まって哀感を漂わせています。日本のメロトロン使用作品で一番好きな一つ。

風のメロディ 🌷 チューリップ
https://www.youtube.com/watch?v=DXrUgigcWgg
0:20 で単音、2:10で和音のストリングス・メロトロン





 最後に日本のニューロックの雄、モップス。当時、山口冨士夫、石間秀機と並ぶ日本最高のギタリストの一人で、「氷の世界」など最高のアレンジャーでもある星勝がメロトロンを大々的に使用した解散ライブEXIT。

 明らかにキングクリムゾンを意識した音です。星勝はRCサクセション「シングルマン」のある曲で、「キングクリムゾンを意識した」ストリングスを配した編曲をしたが、忌野清志郎から却下されたとのこと。

 「わらの歌」では哀愁系、Nobody Caresでは攻撃的な音が見事。フォーク、ニューミュージックブームの中で、早すぎたロッカー、モップスは最後に素晴らしいメロトロンの遺産を残してくれました。

Mops / Nobody Cares
https://www.youtube.com/watch?v=zYhJzBu_skY





 イギリス、ヨーロッパと比べるとメロトロンの使用が目立たない日本ですが、まだまだ隠れた逸品がありそうです。


デジタルによってメロトロンM400を再現したキーボード




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2014年03月25日

春〜メロトロン再び




Cherie Currie / Here comes the sun

いよいよ20度を超えるようになりました。
そこで、今回はHere comes the sun。Runawaysとは別の側面を見せるCherie Currieがメロトロンをバックに歌い上げています。

Cherie Currie / Here comes the sun
http://www.youtube.com/watch?v=I1RgDDC4ldk&feature=related
メロトロン



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2013年08月29日

メロトロンの夢2 〜 わんちゃんランドの夢

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BUZZの東郷氏のサインをいただきました。


今日の1曲
BUZZ/ まちのうた 1974年
 BUZZ/ ケンとメリー 1973年


 わんちゃんと遊ぶことのできるお店に行ってきました。犬や猫を飼ってみたいのですが、家の事情で飼えないのでいつも写真集を見て我慢しています。
 今回は、たくさんの犬たちと遊ぶことができて、夢が現実に。心が癒されました。

膝に乗ってきたわんちゃん
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 再びメロトロン入りの傑作CDにサインをしていただきました。BUZZというJ-POPのパイオニアです。バックバンドは、サディスティック・ミカバンドという当時イギリスに進出して成功した日本で最先端だったバンドです。

BUZZ/ まちのうた 
http://www.youtube.com/watch?v=e-uW3cbItkc
歌、コーラス、メロトロンの3層が交錯して空間を形成する。ヘッドホンで夢のひととき。

 今まで「レクイエム・ザ・シティ」というタイトルは、1974年という年代からベトナム戦争が関連しているのかと想像していました。しかし、解説によると、前年に若くして亡くなられた高橋幸宏さんのお母さんのために制作されたアルバムとのことでした。

BUZZ/ ケンとメリー
http://www.youtube.com/watch?v=jcQH4g3Dwm0

BUZZ/ ケンとメリー 2007年ライブ
http://www.youtube.com/watch?v=1baqa_gj_Qk

 サインをいただいた東郷氏に「40年前の作品とは思えません」と感想を伝えました。
 東郷氏によれば、1960年代から1970年代は、ビートルズのようなビッグアーティストがいて、皆それに追いつこうと努力し勉強した時代だったとのことです。

前回のプレスは高値がついていた。今回は紙ジャケット。
 

のんきなわんちゃんとの夢。人生は夢
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posted by カンカン at 00:08| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | メロトロン Mellotron  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月25日

メロトロンの夢1

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CD化された幻のLP「感覚思考」と稲田氏のサイン

今日の1曲
稲田保雄とベミ・ファミリー / 感覚思考 1976年
 ザ・テンプターズ / おかあさん 1968年
 ザ・テンプターズ / 秘密の合言葉 1968年

 
 日本でメロトロンを使用したプログレッシブ・ロックの幻の作品として、数十万円の値がついたこともあるという稲田保雄とベミ・ファミリーの「感覚思考」がついにCDで発売されました。稲田氏からはキーボードを習ったことがありました。

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 詳しい解説書に稲田氏のロング・インタビューが載っていて、驚きの連続でした。さっそくCDを買って稲田氏にサインをいただきました。テンプターズ解散後の松崎氏や高久氏と一緒に演奏されていたとのことで、そちらの話をメロトロン以上に長く聞きました。

 松崎氏と一緒に作った幻の作品のテープも所有されているとのことでした。松崎氏はテンプターズ時代に泣きながら歌うのが有名でした。繊細な人ではという予想に反して、実際の松崎氏は「音楽に対して豪快」で、ユーモアのある気さくな人だったそうです。




ザ・テンプターズ おかあさん
http://www.youtube.com/watch?v=LNalNiPDbis
松崎氏はテレビで泣きながら歌っていたという

ザ・テンプターズ 秘密の合言葉
http://www.youtube.com/watch?v=_LICYKP5jvY
おかあさんのB面。ギターとショーケンがかっこいい。

 松崎氏と作った作品は素晴らしい歌だそうで、稲田氏がこんな感じと歌ってくれました。是非CD化して世に出してほしいと話しました。しかし、残念ながら、現在松崎氏は消息が不明で、CD化は難しいのではないかとのことでした。

松崎氏は両親がいない役として出演


 「感覚思考」は、ドビュッシー、ベートーベンの主題から予想しない展開をする作品です。当時60万円したムーグ、アープのシンセサイザー、数百万円のメロトロン、ハモンドオルガン、フェンダーピアノという当時の最先端の高価な楽器を駆使しています。

Debussyドビュッシー / Reflets dans l'eau 水に映る影(水の反映)
http://www.youtube.com/watch?v=Ky3TgZvOMqM
 
 「感覚思考」は、斬新な楽器に触れる喜びがメロディーの源泉のようです。特に、稲田氏はメロトロンを重視していたようで、各楽曲のハイライトでコーラス音のメロトロンが感動的に曲を盛り上げています。メロトロンの鍵盤はとても重かったそうです。

 1970年代前半は、自由に音楽を作ることができ、それを理解してくれる人たちが周りにいてサポートしてくれたそうです。話の中で、1970年代のバンドで最初に名前が出たのが、山口冨士夫の村八分でした。当時から伝説として噂になっていたようです。

 稲田氏は、「1970年代の音楽状況は今とは違っていた、
でも、昔のことを今は重く感じる」と言われていました。
 さらに稲田氏の1970年代初期の作品がCD化されるとのことで期待しています。




posted by カンカン at 13:54| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | メロトロン Mellotron  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月18日

マザー・ユニヴァース ・泣けるメロトロンX ベトナム〜Mönchengladbach〜東京

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Mother Universeの内ジャケット。3回クイックすると大きくなり、歌詞が読めます。

今日の1曲
<456> ヴァレンシュタインWallenstein / Audiences 1971年
<457> ヴァレンシュタインWallenstein / マザー・ユニヴァースMother Universe 1972年
<458> Jerry Berkers / Seltsam 1972年


  また別のベトナム人に会いました。ボートピープルの難民として日本に来たのですが、同じ年だったので同情しました。日本に来ても家族も親友もなく、薬物をやると寂しさを忘れられるので、今はやらないが、昔違法薬物をやったことがあるとのこと。

 学生時代のヒーローだったWallensteinというドイツのバンドにJerry Berkersというオランダ人のBassistがいました。今頃、オランダで呑気な老後かなと思っていたら、数年前、彼がずっと前に死んでいたことを知り、脳天を割られたようなショックを受けました。

最近、なぜか楽天の広告がブログに勝手に貼られているMother UniverseのCD。
写真はWallensteinのリーダー、ユルゲン・ドラゼのおばあちゃんとのこと


  Jerry Berkersは、良心的兵役拒否で軍隊に入隊しませんでしたが、バンド演奏のバイトでオーストラリアから1970年にベトナムに行きました。
  彼は兵隊の慰安演奏のために、戦場の最前線にまで連れて行かれました。

  Jerry Berkersが演奏していたステージを、突然ベトナムの兵隊が急襲しました。彼の隣で踊っていたGoGoガールが目前で射殺されてしまいました。そこで戦闘が続き、爆音と銃声の中で彼は死の恐怖と12時間向き合うことになりました。

Walter Wegmüller - Der Narr(1曲目のメンバー紹介)
http://www.youtube.com/watch?v=JiWETzjS0wc
Wallenstein+Ash Ra Tempel+αによるセッション

Jerry BerkersもBassで参加した名作Tarot


  ベトナムから戻ったJerry BerkersはドイツのMönchengladbachのWallensteinというバンドに参加しました。そこで、2枚のLP、1枚のソロとOhr、Pilz、Cosmicレーベルでアシュラ・テンプル等と数々のセッションアルバムに参加しました。

ヴァレンシュタインWallenstein / Audiences
http://www.youtube.com/watch?v=a22jLEVc-sU
1stLPの最後の曲。冒頭のメロトロンとJerry Berkersのボーカルで異次元の世界へ連れて行かれる。イヤホンで。6:15〜はWallensteinの最高の名演のひとつであろう。世界的に有名なドイツ音楽界最高のエンジニアDieter Dierksの力も大きい。



  翌1972年にリリースされたWallensteinのMother Universeは、月間最優秀アルバムにも選ばれました。タイトル曲Mother Universeの詞、Jerry Berkersの歌、悲愴なメロトロンは、まるでJerry Berkers自身による生前葬です。

ヴァレンシュタインWallenstein / マザー・ユニヴァースMother Universe
http://www.youtube.com/watch?v=mfTvN6O4pb8
Jerry Berkersの悲痛な叫びの後、4:20あたりから、Led Zeppelinの「天国への階段」からの影響と思われる劇的な展開を見せる。

マザー・ユニヴァースの紙ジャケット


  ベトナム戦争での異常体験から逃避するため、Jerry BerkersはLSDなどの薬物に耽溺しました。精神に異常を来たしたJerry Berkersは、Wallensteinを辞めることになり、数年後、オランダの公園でコカインの過剰摂取により遺体で発見されました。

  ベトナム人に、Jerry Berkersのソロ作品からSeltsamとWallensteinのAudiencesを聞かせ、彼が薬物で孤独死した話をしました。ベトナム人は子供の頃、爆撃音を聞いたそうです。違法薬物や自殺だけは止めるように話しました。

Jerry Berkersのソロ作品。Wallensteinがバックを務める。




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2011年08月12日

音楽学校U前編 〜 幻のメロトロン

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キーボード科の修了証。カシオペアの朝焼けやStevie Wonderを練習しました。


今日の一曲
<446> 荒井由実 / 卒業写真 1975年
<447> ハイ・ファイ・セット/ 卒業写真 1975年
<448> Buzz / ケンとメリー〜愛と風のように〜 1972年 オリコン19位
<449> Buzz / まちのうた 1974年
<450> Kestrel / Last Request 1975年


〜 音楽学校U 〜


  20年前に通っていた音楽学校のフリースクールに行ってきました。このマイカ・ミュージック・ラボラトリーは松任谷正隆氏の主宰の音楽学校です。
  http://www.mica-ml.co.jp/

  まずは、歌のスクールに行きました。
  テクニックの追求ではなく、素直に語るように歌うというもの。
  題材は、教科書にも出ているユーミンの「卒業写真」です。

荒井由実 / 卒業写真 1975年
http://www.youtube.com/watch?v=WfBPxzz9LiE



  メロディーも美しく、詞も共感を呼ぶという2つの要素を備えた歌は、世の中を見渡してもごくわずかです。男子校を出た私にも「卒業写真」は深い共感を呼ぶ。
  初めから終わりまで感動的で素晴らしい歌です。

ハイ・ファイ・セット / 卒業写真 
http://www.youtube.com/watch?v=Eajc9utuIPQ&feature=fvsr
ハイ・ファイ・セットというコーラス・グループの1975年2月5日のデビューシングルが卒業写真。荒井由実の「コバルトアワー」が6月20日なので、もともとハイ・ファイ・セットのために書かれたのだろうか。

ハイ・ファイ・セット / 卒業写真 
http://www.youtube.com/watch?v=rHSQAm_p7rs&feature=related
男性コーラスをアレンジしたヴァージョン

荒井由実+ハイ・ファイ・セット / 卒業写真 貴重なライブ映像
http://www.youtube.com/watch?v=-VwPj4QMSOU&feature=related

  1時間近く「卒業写真」を全員でパートを変えたりして歌いました。
  しかし、曲と詞が素晴らしいと何度歌っても全然飽きることがありません。
 素直に歌っていくだけでだんだん歌が上達する実感があって感動しました。




〜 幻のメロトロン 〜




  うたのレッスンを担当した東郷昌和先生は、「ケンとメリー」というニッサン・スカイラインのCMソングで一斉を風靡したBuzzというグループのメンバーです。1972年のオリコンで最高19位になっていますが、ずっと1位と思っていたほどインパクトがありました。

Buzz / ケンとメリー 〜愛と風のように〜
http://www.youtube.com/watch?v=Eunqtuc7i-8&feature=related
まだ、演歌や歌謡曲が全盛の1972年に、この歌は画期的なポップスだった。

Buzz /ケンとメリー〜愛と風のように〜 スカイライン CM (1972年)
http://www.youtube.com/watch?v=hUUnoHuQ_tk&feature=related
年取った両親でもこのCMの歌は覚えていた。



  私は、ベトナム終戦の1975年までにデビューした日本のロック系アーティストは無条件で尊敬してしまいます。実はBuzzは、2年前に別のスクールで習った先生と同様、日本でメロトロンをレコーディングで使用した数少ないバンド。

日本のメロトロンサイトでもBuzzを紹介。
http://www.geocities.jp/mellotronics/cds.html

  東郷先生に質問する機会があったので尋ねてみたところ、メロトロンは「レクヰエム・ザ・シティー」というLPの中の1曲のために購入したとのこと。
  当時100万円はした楽器なので驚きました。

BUZZ/レクヰエムT
http://www.youtube.com/watch?v=Pr2KJp2Iw4c
日本のメジャー系では極めて少ないプログレッシブロックのサウンド。

 Buzzは、メロトロンを結局、日本の超有名なアコースティックギターのスタジオミュージシャンと交換されたとのことでした。まだ大事に保管されているのではないかとのこと。
 奥が深い。メロトロン実話を聞けて感動しました。

BUZZ/まちのうた
http://www.youtube.com/watch?v=7Cl6tx7Hwd8
0:35〜 ヘッドホンで。サビで拡がるボーカル+コーラス+極上メロトロンが美しい。
ケストレル級だ。



Kestrel - Last Request
http://www.youtube.com/watch?v=X12y_9ZqByY&feature=related
メロトロンのキング・クリムゾンと並ぶ裏代名詞「ケストレル」 
メロトロンは4:00から

日本ではオリジナル盤は20万円




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2011年07月02日

泣けるメロトロンW 〜 ベトナムから東京へ  今日の一曲 <417> <419> キングクリムゾン <418> ザ・ピーナッツ


史上最高の女性デュオによるメロトロン入りライブ音源


<417> キングクリムゾンKing Crimson / エピタフ(墓碑銘)Epitaph 1969年
イギリスLPチャート1位
<418> ザ・ピーナッツ/ エピタフ(墓碑銘)Epitaph 1974年
<419> キングクリムゾンKING CRIMSON / IN THE WAKE OF POSEIDON 1970年 イギリスLPチャート4位

  初めてベトナム人の弁護をすることになりました。通訳の人は、日本に長いので日本語は上手です。ブログで繰り返していますが、1960年代半ばからベトナム戦争が終結する1975年までは、音楽史において奇跡的な期間だったと思います。

  世界中のベトナム反戦運動とビートルズを筆頭とする音楽革新が連動し、イタリアのレ・オルメLe Ormeも時代の鏡のようにベトナム情勢を反映しました。ベトナム戦争が泥沼化して精神的に追い詰められた結果、内省的な傑作群が世界中で生まれました。

King Crimson / エピタフ(墓碑銘)Epitaph
http://www.youtube.com/watch?v=5wJVmvp_tDA&feature=related
1st クリムゾン・キングの宮殿から。メロトロンは伝説のSKU。

ザ・ピーナッツ/ エピタフ(墓碑銘)Epitaph
http://www.youtube.com/watch?v=0gx_F-HzZtk&feature=related
日本の伝説の女性デュオによる驚異のライブ録音。メロトロンはM400か。



  エピタフ(墓碑銘)は、まさにベトナムで殺された人たちの歌といえます。戦争を現地で体験した通訳の人によれば、最初に共産主義者が貧しい農民たちに「共産主義になれば、皆平等になり豊かになれるから戦争に参加しろ」と宣伝したそうです。

  そこにベトナムの資源を目的とするソ連とアメリカが加わり、戦争が拡大しました。たくさんのベトナム人が殺されました。しかし戦争が終わり共産主義が政権を執ると、幹部だけが贅沢な生活をし、再びたくさんの貧しい人びとが生まれました。

  今回、ブローカーに騙されてお金を払って日本に来た被疑者は貧しい北ベトナムの出身者でした。日本に来ると「職はない」と言われ、食べるために盗んでいました。彼を騙したベトナムのブローカーは政府関係者。戦争はまだ終わっていません。

KING CRIMSON / IN THE WAKE OF POSEIDON
http://www.youtube.com/watch?v=bPdRB9CpEFo&feature=fvst
メロトロンのファンの間で1,2を争う名曲。




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2011年04月16日

復活・頑張れニッポンZ 子供たちの歌 泣けるメロトロンV シャクナゲ 今日の一曲 <360> アース&ファイアー

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先週はまだつぼみだったシャクナゲ。花の美しさはほんの一瞬です。

<360> アース&ファイアーEarth & Fire / Song of the Marching Children 1971年


PAL方式のDVDなのでご注意



  被告人の家に行って家族から話を伺っていたら、小さいころお母さんが亡くなったので愛情を受けずに育ったのが原因だと思いますとのことでした。震災で親を亡くした子供達をサポートしていくこともこれから必要になっていくでしょう。

  今回はオランダのアース&ファイアー。YesやLe Ormeのように大衆向けポップスでも、アートロックでも成功した世界でも数少ないバンドのひとつ。メロトロンの導入で劇的に変化した1971年の2ndはベトナム戦争で死んでいった子供たちへの追悼曲です。


アース&ファイアーEarth & Fire / Song of the Marching Children
http://www.youtube.com/watch?v=zZ77xgpuhB0&feature=related
ロックのクレオパトラ、ジャーネイ・カーグマンJerney Kaagmanが一番輝いていた頃。スタジオ・ヴァージョンよりも素晴らしい分厚いメロトロンMellotronのキーボードワークが見られる貴重なライブ映像。


アース&ファイアーEarth & Fire / Song of the Marching Children
http://www.youtube.com/watch?v=uN61g-jC5Xk&feature=related
スタジオヴァージョン





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2011年03月26日

復活・頑張れニッポンV すべての子供たちへ 泣けるメロトロンU 今日の一曲 <349> コズミック・ジョーカーズ <350> 新沼謙治

<349> コズミック・ジョーカーズCosmic Jokers(Galactic Supermarket)/ すべての子供たちへKinder Des Alls 1974年
<350> 新沼謙治 / 津軽恋女 1987年


  連日、被災地の悲しい情報が伝わってきます。
  小さい子供たちもたくさん亡くなっていて、お人形のような可愛い3姉妹の写真を見たときはショックでした。

  一昨日、児童養護施設におもちゃをもって行ったのですが、子供たちは地震や停電で精神的に不安定で会えずに残念でした。あの後雨が降ったので、早く帰らなければ風邪をこじらせていました。子供たちが風邪をひかないようにしてくれたのだと思います。


Cosmic Jokers(Galactic Supermarket)/ すべての子供たちへKinder Des Alls
http://www.youtube.com/watch?v=e_icIBkF5CA&feature=related
天国の子供たちへ。メロトロンMellotron400の混声コーラスが拡がる隠れた傑作。Dieter Dierks, Harald Großkopf, Jürgen Dollase(Wallenstein), Klaus Schulze, Manuel Göttsching(Ash Ra Tempel), Gille, Rosiがメンバー。

  メロトロンは、ベトナム戦争で死んでいった人たちへの鎮魂歌を奏でるための楽器であり、ベトナム戦争の終わった1975年で使命を果たしたと言うのが持論。ベトナム戦争を歌ったJürgen DollaseのWallensteinも1975年に一度解散した。





  嬉しいニュースもあります。私の人生の師の一人である大船渡の新沼謙治さんのお母さんが行方不明だったのですが、無事であることがわかりました。
 一人でも多くの方が救出されることを祈っています。


新沼謙治 / 津軽恋女
http://www.youtube.com/watch?v=50_cxqVAnYY





 
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2009年07月18日

〜嗚呼モーニング娘〜 泣けるメロトロン イタリアからベトナムへ  今日の1曲 <95> Gens <96> Le Orme

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左:メロトロンのサンプラーSample tron
右上:Le Orme / Breve Immagine歌詞(クリックすると拡大します)
右下:Gens / Anche un fiore lo sa シングル盤


<95> ジェンス Gens / Anche un fiore lo sa 1972年 イタリア
<96> レ・オルメLe Orme / Breve Immagine 1972年 イタリア


〜 嗚呼モーニング娘 〜


  先週,渋谷のCamelotに行ったら,なんと元モーニング娘のMaki Gotohゴマキ姫がゲストとのこと。
  中に入ると,ゴマキのオタクさんがDJブースの前に石垣のように張り付いています。
  オタクたちは大音量のスピーカーの前で微動だにしません。
  いつも会うダンサーの人と「今日はすごいことになってますねえ」と話しました。
  ゴマキは1:30の出演とのことで終電に間に合いません。クヤシイ。
  自分もオタクの輪の中に入り,最前列でゴマキのシャワーを浴びたかった。

Camelot HP
http://www.clubcamelot.jp/modules/tinyd10/



〜 泣けるメロトロン イタリアからベトナムへ 〜
Mellotron from Italy to Vietnam


  最近「泣ける歌」というテレビ番組がありました。
  その歌にまつわる隠されたエピソードなどを聞くと,改めてその歌の素晴らしさがわかることがあります。
  ビートルズBeatlesなどもシンプルな歌詞でありながら実は奥が深かったりします。

  しかし,そのような秘話なしでも音を聴くだけで泣けてくるものもあります。
  先日,久々に音楽を聴いて涙が出てきました。泣くのはおばあちゃんの葬式以来だなあと思いつつ。
  それは,30年以上前に流行したメロトロンMellotronという当時数百万円した伝説の楽器の音です。

  私にとっては長年の憧れの楽器でした。 
  パソコンで作曲しているのですが,先月メロトロンMellotronのサンプラーであるSample tronというソフトを導入しました。
  さっそく自分の作った曲でメロトロンを使用してみました。
  「うう〜〜〜これだ〜〜 この音だ〜」私は感極まって涙してしまいました。
  

  1964年頃に発売されたメロトロン。
  この楽器の仕組みが驚き。
  鍵盤を押すと中にテープレコーダーが仕込まれていて,テープが鳴るようになっているんです。
  40の鍵盤があるとすると,40台のテープレコーダーが中に入っているわけです。そのテープは,生のオーケストラや合唱団のコーラスなどをキーごとに録音したもの。
  「メロトロンのおかげで我々の仕事がなくなる恐れがある」と訴訟を起こされたこともあります。

  この当初はオーケストラなどの代用品として開発されたメロトロンが脚光を浴びた時期がありました。
  特に代表的なのが1969年にデビューしたキング・クリムゾンKing Crimson。
  もっとも有名なのはビートルズのAbbey Roadを抜いて1位になった1stアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」です。
  しかし,よりメロトロン・ファンから世界的に人気があるのは、2ndアルバムの「ポセイドンのめざめIn the wake of Poseidon」です。ここで聴かれるメロトロンの憂愁の音は比類なきものがあります。

  前々回のブログのマイケル・ジャクソン追悼でも紹介しました。




  メロトロンは,テープを作動させるため立ち上がりが遅いこと,録音した音を再生させるという特性から独特の音色が生じます。
  特にストリングスの音には,その掠れた音からまるで死者を悼み,すすり泣くような響きがあります。
  また,コーラスの音は,この世のものとは思えない天上の神々の混声合唱のように聞こえてきます。

  メロトロンを使用した傑作は,1970年代初頭に急激にヨーロッパを中心に現れ,1975年を境に消えていきます。
  音楽学校の先生に,1974年当時メロトロンを使用した幻の作品を残した人がいました。そのLPは数万円のプレミアがついています。先生は30年以上前の自分のレコードへのすごい評価を知らず,自分も持っていないと言って驚いていました。
  先生は「ベトナム戦争に行ったことがある。自分の世代は海で溺れている人がいたら飛び込んで助けた」とも言われていました。

  今,世界で民族紛争が起きたり,爆弾が落とされても,そのような現実は国家によって隠されたり,情報操作されています。
  しかし,ベトナム戦争Vietnam Warのときは,ベトナム市民に爆弾が落とされるような映像が連日流されていました。そんな戦争は世界史上ベトナム戦争だけでしょう。世界中で「ベトナム反戦運動」が起き,学生が火炎瓶を投げたりしました。ところが、ベトナム戦争は泥沼化して収拾がつかず出口が見えなくなります。

  特に隣人愛を基本とするヨーロッパのキリスト教徒にとって「ベトナム戦争」はこの世の地獄に映ったのではないでしょうか。時を同じくして,メロトロンを使用したロックの傑作がヨーロッパで多数生まれます。
  なき咽ぶようなメロトロン・ストリングスはベトナム市民への鎮魂であり,天上のメロトロン・コーラスは「ベトナム戦争」という地獄からの逃避だったのではないかと思えます。

  アメリカの歴史的なベトナム反戦などを謳った「Woodstock音楽祭」は1969年でした。
  イタリアの“1969年”は,1972年のキリスト教本山のRomaで開かれた最大のロック・フェスティバルVilla Pamphili音楽祭でした。これに参加したバンドのひとつIL Paese di balocchiのメンバーは,音楽制作時の社会背景には「ベトナム戦争」に対する悲観的な展望があったと述べています。

  1975年に「ベトナム戦争」が終わると,メロトロンは潮を引いたように衰退します。
  1975年のイギリスのKestrelを最後にメロトロンを使用した名作は個人的にはないと思います。
  音楽学校の先生も,今はあの頃のように重い時代ではなくなったと言っていました。
  私は先生に「メロトロンは死んでいったベトナムの人たちへの鎮魂であって,1975年にベトナム戦争が終わったときに使命を果たしたのではないでしょうか?」と聞くと,「大きく出たね。…じゃあ,自分の(1974年の作品)はそれに間に合ったということか・・・」と言われていました。

  
  1970年代のイタリアでのメロトロンを使用した作品は奇跡ともいえるほど傑作ばかりなのですが,今回は歌をベースにした作品を2つ紹介します。
  

ジェンス Gens / Anche un fiore lo sa 1972年 イタリア
http://www.youtube.com/watch?v=3lDa1fzNFYo
  ヘッドホンで聴いてみてください。
  始めからメロトロンMK2(今、世界に数台しかない)のストリングスが全開。
  単なる歌の伴奏を超え,1:38, 2:55ではメロトロンが主役になる。
メロトロン入り歌ものの傑作Ciro Dammiccoと並ぶ,あるいは凌駕する名曲。
  唸るムーグ・シンセサイザーも素晴らしい。「花にもわかる」?というようなタイトル。



レ・オルメLe Orme / Breve Immagine 1972年 イタリア
http://www.youtube.com/watch?v=MpKtTNYjq-I
  1970年代に多数の名作を残したレ・オルメの数少ないメロトロン使用曲。
  0:48から夢見るようなメロトロンのストリングスが拡がる。エンディングも美しい。「短い映像」?といった意味。イタリア人でもレ・オルメの詩は難解とのこと。
  同じPhillipsレーベルから1972年に発売されているので,Gensと同じメロトロンを使用したものと推測されます。
  Breve ImagineがB面1曲目に収録されたLe OrmeのLP Uomo di pezzaは1972年にイタリアで2週間1位になっています。全曲捨て曲のない名盤。





最後に,おまけとしてメロトロンの驚きのテープ交換の映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=eR6D1ZH2CMk&feature=fvw
はじめストリングスの音が,コーラスの音に変わります。


posted by カンカン at 22:04| Comment(0) | TrackBack(1) | メロトロン Mellotron  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする