2013年05月05日

最終兵器RDM with世界初オーケストラ競演〜Il Rovescio della Medaglia with Strings Orchestra Live in Japanイタリアン・プログレッシブロック・フェスティバル最終章3

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Tシャツ。サインは残念ながら、またはずれ。


今日の1曲
 RDM / Contamination 1975年
 Il Rovescio della Medaglia / Contaminazione 1973年
バッハ(パブロ・カザルス)/ 無伴奏チェロ第1曲
 バッハ平均律クラヴィーア曲集No.1(グレン・グールド他)


 今回一番期待していたのがRDM の世界初のオーケストラとの競演です。ビートルズのイエスタデイから始まったロックとオーケストラの融合はDeep Purpleも試みましたが、イタリアのバカロフ3部作こそ世界的に見て最高といえるでしょう。

 Luis Bacalov 3部作は、1971年New Trolls(最高位2位)、1972年Osanna(最高位8位)に続くバッハを素材にした1973年RDM / Contaminazioneで完結。
 RDMはセールス的にも大きな成功にいたらず地味な印象があります。

 30年以上前に英米進出を図った英語ヴァージョンRDM / Contaminationを聞きました。ELP、PFMと聞いてきた後の「RDM」という名前は強烈で、当時はイタリアからの最終兵器のようなインパクトを受けました。

 New TrollsやOsannaとのバカロフ・コラボとの最大の違いは、RDMではストリングスに加えてパイプオルガン、ハモンドオルガンが活躍するところです。
 来日4ヶ月前から一番楽しみにしていました。

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2013.4.27 Italian Progressive Rock Festival Finale 2013
Club Citta', Kawasaki, Japan

 いよいよ2日目の開幕です。最初の曲はRDM単独で1st のGudizioや2ndのNon Io、あるいは最初からストリングス付でNon Io、Gudizioなんてどうかなと空想していました。Contaminazioneはトリと予想。バイオリンのリハの音が聞こえてきました。

 予想に反して、いきなりContaminazioneからスタート。真ん中に結成時からの唯一のオリジナルメンバーEnzo Vitaがいます。白髪で衣装も煌びやかで貫禄があります。シンセサイザーの導入部もオリジナルの全くのコピーでなくアレンジされています。

 New Trolls, Osannaのときは左でしたが、今回は右側にTokyo Vielle ensembleの7名が配置。バッハ平均律クラヴィーア曲集No.1が聞こえると喝采が起きました。ドラムの人がボーカル。右のストリングス隊がいつ動くか目が離せません。

バッハ平均律クラヴィーア曲集No.1 聴き比べ
http://www.youtube.com/watch?v=xNYaCqAUrqk



 Osannaのミラノカリブロ9の完全再現コンサートではLino Vairettiが、光栄であると同時にたいへんな責任を感じたと言っていました。
今回もオリジナルメンバーのEnzo Vitaは相当緊張しているように見えます。

RDM / CONTAMINATION 聞き所
http://www.youtube.com/watch?v=o-jQ5lv_3zU
3:20〜4:00ハードロックのリフとシンセサイザー
6:00〜7:00 トレースのようなチェンバロからELP風攻撃的オルガン
9:45〜10:25重いストリングスパート
14:40〜18:15 Canzona、Adagioのよう名曲バラードLa mia Musica
21:00〜21:18 チェンバロから強烈なギターリフ
27:20〜29:00 強烈なギターリフ
34:00〜 Grande Fuga

「RDM」の名前が強烈だった


 今回は指揮者がいません。ストリングスが入る前のところで、楽譜をみつめるTokyo Vielle ensembleがバイオリンを構えて緊張しているのがわかりました。ロックが途切れた瞬間に入るバイオリンは天上からの響きのように聞こえます。

 大きなパートの切れ目で拍手。完全なストリングスだけのパートに入ったときに、ステージ左のベースが首を縦に振ってリズムを取っているところがとても印象に残りました。彼自身も長年Contaminazioneのファンだったのではないかと思いました。

 Enzo Vita以外の4人のメンバーはRanestroneという独立した単体のバンドなため、リズム隊の結束がいいです。オリジナルのRDMは退廃的な雰囲気が漂っていましたが、ヴォーカルを初め明るくシャープで、それもいい感じです。

Rovescio della medaglia / La mia Musica
http://www.youtube.com/watch?v=dUxUFuE7JjM
名曲バラード。

 Enzo Vitaはステージで黙々と演奏し、歌もありません。一人だけマイクも無いのですが、ギターソロのパートになるとスポットライトが当たり、職人のようにLPとは異なる、ときにはっとするような新しいフレーズを紡ぎだしています。



 RDMはイタリアで最も大音量のPA機器を持っていたそうです。
1974年のRDMのブートレグではローマのPiper ClubでContaminazioneをオーケストラなしで再現していました。他にも実に興味深い音源があります。

Il Rovescio della Medaglia / La Mia Musica (Live, Piper Club 1974)
http://www.youtube.com/watch?v=GWIt-SWVCUg
来日に備えて予習しているうちに貴重な音源がみつかり感動。。。

Il Rovescio della Medaglia / Medley Contaminazione
http://www.youtube.com/watch?v=7idJes_Y1NQ
オーケストラなしのContaminazione

Il Rovescio della Medaglia  Live 1974
http://www.youtube.com/watch?v=9dWPyZoU41Y
12:40 Non Io  35:00 La Mia Musica 54:30 Grande Fuga
当時のRDMのファンの熱狂もわかる。

 音楽に詳しい方のブログで、Contaminazioneではバッハの平均律ピアノ曲集から7曲、Grande Fugaの直前に無伴奏チェロ第1曲の最初の有名な部分が使用されていると指摘されていました。自分は最初と最後の2箇所しか気づきませんでした。

J. S. Bach パブロ・カザルス/ 無伴奏チェロSuiten für Violoncello solo No.1 G major BWV1007
http://www.youtube.com/watch?v=_qZkPuA9pj4



 無伴奏チェロ第1曲のストリングスのフレーズでは鳥肌が立ちました。「ワンツースリーフォー」の掛け声とともに、この4ヶ月待ち望んでいたContaminazione のフィナーレGrande Fugaが始まりました。

 最後のパイプオルガンが響き渡り、終演へ。スタンディング状態になり、しばらく拍手が続きました。ここで初めてMCが入りました。
 ドラムの人がまず、ストリングスの7人を讃えました。

 そしてメンバーを紹介。最後にRDMの創設者として「Ladies and Gentleman, Mr.Enzo Vita!」と紹介。英語で「世界で初めてContaminazioneを演奏できました。Thank you very much」と言っていたと思います。

 新作のMicrostorieから2曲を披露しました。
 OsannaのときのようにGrande Fugaで終わったほうが客は喜ぶと思いますが、Museo Rosenbachと同様、現役であることのプライドがあるのでしょう。

 最近になってContaminazioneはバカロフに統制された作品で、RDM自らが望んだ作品ではなかったという話を知りました。しかし、Enzo Vitaが作ったと思われるContaminazioneの中のギターフレーズも素晴しいと思います。

 5月7日の仕事の準備のため4連休は準備と不安で落ち着きません。Enzo Vitaもこの数ヶ月、日本で本当にうまくいくのかと不安だったのではないでしょうか。遠い異国での仕事が終わって精根尽きた彼の姿が目に浮かんできました。




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