2013年05月03日

ダイナマイトと神秘・ムゼオ・ローゼンバッハMuseo Rosenbach Live in Japanイタリアン・プログレッシブロック・フェスティバル最終章2

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Tシャツ。残念ながらサインははずれ。


今日の1曲
 Museo Rosenbach / Dell'eterno ritorno 1973年
 Museo Rosenbach / Degli uomini 1973年
 Museo Rosenbach / Della natura 1973年
 Museo Rosenbach / Zarathustra 1973年


イタリア本国のプログレサイト“Italianprog”の TOP20でPFM、Bancoを抑え堂々1位に評価されたツァラツストラ
http://www.italianprog.com/index.htm



 イタリアン・プログレッシブロック・フェスティバル初日のトリは、1973年にニーチェのツァラトゥストラをテーマにしたLPで、Maxophone同様にLP1作だけで歴史に名を残したムセオ・ローゼンバッハMuseo Rosenbach。
 
 メロトロンファンにとっても泣く子も黙る作品。イギリスのメロトロンサイトでも「メロトロン使用度」「音楽的評価」の両面でKing Crimsonの1stと同格の最高ランク5。
http://www.planetmellotron.com/toptron.htm

 ツァラツストラもMaxophoneのLPのようにどこを切っても捨て曲のない傑作です。
 どの曲から始めるのか? あるいは新曲からか。
 1曲目が気になります。いよいよ開演。

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2013.4.26 Italian Progressive Rock Festival Finale 2013
Club Citta', Kawasaki, Japan

 聞こえてきたのは、LPのB面のラスト「自然回帰」と同じ音色のシンセサイザーのイントロ。ライブ会場で聞くと宇宙に飛ばされるような音です。
 40年前にシンセサイザーが如何に革新的だったかを再認識しました。

 幕が上がると、真ん中にヘルスエンジェルスのような革ジャンを着た山本晋也監督を小太りにした不良中年風のLupoが見えました。彼こそバンドの看板シンガー。
 Museo Rosenbach日本上陸です。

 強烈なギターとともにダイナマイトのようなドラムにぶっ飛ばされました。
 Maxophoneの洗練されたジャズ的なテクニックとは全く対照的。オリジナルの5名より多い7名のメンバーがステージに現れました。

 ダイナマイトドラムを叩くGiancarlo Golziが現在も所属するマティア・バザールMatia Bazarは、イタリアで女性ボーカルをメインにして長くトップにいるという意味で、日本で言えばドリカムのような超メジャーバンドです。

 私は長年、Giancarlo GolziにとってMuseo Rosenbachにいた経歴は、消し去りたい暗い過去だったのではなかったのかと勘違いしていました。Golziは「Museo Rosenbachこそ本当の自分だ」と言わんばかりの雷神になっていました。

ムッソリーニをコラージュしたジャケットのためイタリアで発禁になったとも聞く
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 そして、Lupoの40年前のLPのような衰えのない強烈な声に圧倒されました。
 「芸能界で一番喧嘩の強い男は誰か」という企画で、初めは信じられませんでしたが、山本晋也監督は、舘ひろし、渡瀬恒彦らと共に上位にランクされます。

 私は、あの穏やかな山本晋也監督が「本当の俺を見せてやる」と叫んでいるような感動を覚えました。ライブは、まずB面の3曲を新曲も挟まずに、ダイナマイトドラムを中心に怒涛のごとく続けて演奏しました。
 
 なんと形容したらよいか。恐ろしいほどメロディーが美しいヘビーメタルのライブ。
 あるいはJames Brown率いる最強時のグルーブ感を持つ1971年JB’sに、無理やりシンフォニックロックを演奏させたらこんな感じではなどと想像しました。

長年、真ん中がMorenoと思っていたが、後ろの右端の人だった


 そしてA面のツァラツストラ組曲に突入。初めの山であるメロトロンの嵐もメロトロンに似たシンセサイザーの音でカバー。今回のライブではこのメロトロンパートは印象が薄く、希代のメロトロンバンドというよりもドラムとボーカルが核でした。

Museo Rosenbach / Zarathustra全曲 (1973)
http://www.youtube.com/watch?v=hqZZwrc-BNM
初めて聴く人へのお勧めは「超人」のメロトロンパート2:30〜、「砂時計の宮殿」17:40〜、Degli uominiの冒頭 20:46〜、自然回帰Dell'eterno ritornoのエンディング38:30〜


 3年前に来日公演を見たPeter Hammillピーター・ハミルに似た神秘の人Alberto Moreno。今回彼はベースを弾かずに、右前方でキーボードで特にメロトロンのパートを再現していました。ベース・キーボード・ギターに若手メンバーが補強されています。

 ツァラツストラ組曲が「砂時計の宮殿」で終了すると会場はスタンディング状態。メンバー紹介で、ドラムのGiancarlo Golziが、「Alberto Moreno、Music and lyrics!」と紹介。Alberto Morenoこそがリーダーと思いました。

 Golziが若い20歳のメンバーを紹介しました。逆に「どうです? 僕も若いでしょう」とおどけています。今回の来日で、イタリア本国ではMuseo Rosenbach は「ムゼオ・ローゼンバック」と呼ばれていることがわかりました。

Museo Rosenbach / Al di là del Bene e del Male
http://www.youtube.com/watch?v=4to6sJLtXnw
最近の映像

最新ライブ


Il Tempio delle Clessidre LIVE - Zarathustra
http://www.youtube.com/watch?v=PXCqapssNuU
トリビュートバンドによるライブ Lupo参加。

IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE / DELLA NATURA
WITH STEFANO "LUPO"GALIFI
http://www.youtube.com/watch?v=XqPA7uoiJsc

Zarathustraデモ録音などの初期の貴重音源集



 続いて新譜からの新曲を3-4曲披露しました。Alberto Morenoが曲の前に英語でメッセージを言いました。しかし、こういうときに英語のわからない自分は情けない。
 英語ぐらいできなきゃなあと後悔する瞬間です。

 Alberto Morenoの言葉から断片的に「現代においても悲惨なことは続いている」「今度の曲はPositiveなものです」といったメッセージだったような気がしました。
 Zarathustraのジャケットにはベトナム戦争らしき子供の写真も写っています。

 MorenoはLupoが歌っているときも目をつぶり一緒に口を動かしていました。MorenoがLupoの歌を通して自分のメッセージを表現したいという意思が伝わりました。彼の強い意思が1973年にZarathustraの詞と曲を一気に書き上げたのでしょう。

 アイランド期のKing Crimsonは、ロバート・フリップという頭脳と、3人のブルースを愛するロッカーという構成が、緊迫感を伴った結果をもたらしていました。今回は、Morenoの頭脳と、 Lupoの歌、 Golziのドラムがトライアングルになっています。

 Lupoも本来はブルースシンガーだったのがプログレッシブロックでやることになったと言います。アイランド期のKing Crimsonと異なり、Moreno、 Lupo、 Golziのオリジナルメンバー3名の絆は、今でも深く結びついているようです。
    
Museo Rosenbach / Il Respiro Del Pianeta
http://www.youtube.com/watch?v=pgFNJ-wdb88


 新作もよく練れた構成ですばらしく、60歳越えのバンドの新曲とは思えません。
 しかし、さすがにツァラツストラ組曲の後では影が薄くなります。
 観客の拍手も熱狂的ではなく、覚めたものになっていきました。

 最後のアンコールも新曲でした。
 Alberto Morenoだけ一人先にステージからいなくなってしまったのは、新曲に対して大きな反響を得られなかったことに対する失望があったのかとも思いました。

 しかし、それはAlberto Morenoの、バンドとして存続する以上は過去の遺産にとどまらず、前に進みたいという強い意思の表れだと感じました。今回のライブはオフィシャル・ブートレッグCDになるので、その意思をまた確認したいと思います。





この記事へのコメント
詳しいレポありがとうございます
ライブの印象を生の声で伝えて頂けるのが嬉しいです
Posted by pin at 2013年05月03日 20:05
コメントをありがとうございます。評論家のような鋭い文章でなくて素人の文章で恥ずかしいのですが2日目、3日目のライブも記憶のあるうちに残しておきたいと思っています。
Posted by カンカン at 2013年05月03日 22:21
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