LP荒井由実 / ひこうき雲
CD加橋かつみ / 1971花(愛は突然に・作曲荒井由実17才収録)
今日の1曲
ついに初めて「えいちゃん」矢沢永吉に続いて「ユーミン」松任谷由実のコンサートに行きました。お二人とも40周年。「えいちゃん」は上京したときに最初に降りた「横浜」で、ユーミンは13歳のとき音楽活動のきっかけになったプロコルハルムとの競演です。
若き日の「えいちゃん」とユーミンの貴重対談映像1975年?
http://www.youtube.com/watch?v=tmEu6xjWyLM
「えいちゃん」初期の映像。7:00からユーミンと。
それから20年ぶり「えいちゃん」とユーミンの1995年のラジオ対談
http://www.youtube.com/watch?v=cG7e_p7hy0A
ユーミンも「えいちゃん」のファンと公言。話が尽きない。
これはたいへんだとチケットをゲット。プロコルハルムは青い影で有名です。しかし、私の思春期13歳の頃は、ストーンズ、ELP、TREX、パープル、ツェッペリン、クリムゾン、イエスなどの全盛期。青い影はロックというより時代遅れのBGMという感じでした。
Keith Emerson / A Whiter Shade of Pale
http://www.youtube.com/watch?v=KbmunVZnPBw&feature=fvwrel
ELPのキース・エマーソンも実はプロコルハルムから影響を受けたことを示す映像。
プロコルハルムに興味を持ったのは5年前、HomburgのイタリアのCamaleontiのヴァージョンを聞いてから。1年前、本を読んで日本の伝説的バンド四人囃子のドラマーが、1972年の来日時のプロコルハルムを皆が絶賛していたことを知りました。
以前から、初期ユーミンをプログレとして愛聴していた私は、プロコルハルムとの共演は、「ひこうき雲」を中心とする初期プログレユーミンのオンパレードと予想。カーブド・エアと共に再評価していたプロコルハルムとのライブに期待が高まりました。
ライブ当日、大馬鹿者の私は2つの仕事で大失敗。相談した同僚に「いや〜、これはユーミンのコンサートに行ってる場合ではないと思います」と忠告され、頭を抱えました。
幸運にも別件で面会した先達に頭を下げて助言を頂き、窮地を乗り越えました。
ユーミンの原点は13歳のときの「青い影」
Yumi Matsutoya & Procol Harum Back to the Beginning Tour 2012
私の原点は10歳のときの「レット・イット・ビー」
ステレオ東芝ボストンのCMを聞いたとき、雷に打たれたようなショックを受けた。
2つのトラブルから解放された私は、人見記念講堂に向かいました。開幕。楽器配置を見るとユーミンとプロコルハルムの共演か?初めに、ユーミンの音楽の出発点がプロコルハルムであることを書き綴ったゲイリー・ブルッカーに対する手紙が読まれました。
ついにユーミンが一人で登場。ピアノ弾き語りの「ひこうき雲」こんな日が来るとは。
目頭が熱くなった。素人でも「青い影」からの影響がわかる曲です。
「今日のユーミンは本気でプログレをやるつもりだ!」 続いてベルベット・イースター。
ライブ当日の曲目リスト ほとんど「プログレユーミン」のオンパレード
http://www7a.biglobe.ne.jp/~yuming-kobe/12tour/procol_harum.setlist.html
荒井由実 / ひこうき雲
http://www.youtube.com/watch?v=AjhEEdUtVLg
荒井由実 / ベルベット・イースター
http://www.youtube.com/watch?v=0dJ9pu_kgVI
まさか、ユーミンがベルベット・アンダーグラウンド、裸のラリーズ、アモン・デュールTのファンですということはないだろう。
そして、ユーミンの紹介でプロコルハルムが登場。5曲ほど演奏。実力は感じましたが、正直のところ個人的にはGrand Hotelしか印象に残らない。しかし、これも後半に感動を盛り上げるための作戦だったことがわかりました。さすがはプロ。
プロコル・ハルムとテン・イヤーズ・アフターが来日したときに、後者を見るのが目的だった人たちは、帰るとき、皆、前者に圧倒されてファンになっていたそうです。今回は演奏しなかった曲でしたが、私が好きなプロコルハルムの映像を以下3つ挙げます。
Procol Harum / Pilgrim's Progress
http://www.youtube.com/watch?v=mI0GoiZaFpw&feature=related
Procol Harum / Repent Walpurgis 1971年ライブ
http://www.youtube.com/watch?v=WQoZGq2cg_4&feature=related
3:00 アヴェマリアに感動。ラスト超絶ドラム。
Procol Harum / Still There'll Be More
http://www.youtube.com/watch?v=21dh4JDZ2ts&NR=1&feature=fvwp
ドラムが豪快。
Procol Harum / Grand Hotel オーケストラ合唱付2006年ライブ
http://www.youtube.com/watch?v=-6VTXbrainc
再度ユーミンとそのバンドが登場。ユーミンがプロコルハルムの影響を受け、このライブが特別なもので、いかに緊張しているかが語られました。ユーミンも当時のバックのキャラメルママの4人も1972年のプロコルハルムの武道館ライブに行ったそうです。
「プログレ」とは言いませんでしたが、ユーミンは自分が初期に求めていたのは重厚なサウンドだったそうです。しかしデビュー曲の「返事はいらない」はシングル用にという要請で軽快に作ったそうです。今は6桁の値がつくコレクターズ・アイテムです。
改めて読むと初期が興味深い自伝。中2-3年でゴールデン・カップス、ビーバーズと会っていたというのだからすごい。この本では「青い影」からの影響は封印している。
ユーミンの作品の中で私が一番好きな曲のひとつ「空と海の輝きに向けて」が、ユーミンの記憶によれば、おそらく最初にできた曲というのも初めて知った興味深い事実でした。2番目が「翳りゆく部屋」、3番目が「ひこうき雲」だそうです。
荒井由実 / 空と海の輝きに向けて
http://www.youtube.com/watch?v=wj9FrQ2MVho
1972年の返事はいらないのB面
荒井由実 / やさしさに包まれたなら
http://www.youtube.com/watch?v=reVY624c6Io
カバー。きれいな仕上がり。
松任谷由実 - ダンデライオン 〜 遅咲きのたんぽぽ
http://www.youtube.com/watch?v=pUwyIqv-oR0
突然の「本当の孤独をあなたは知らない」という歌詞が衝撃的だった。ユーミンはプロコルハルムにキース・リードという専属で歌詞を作るメンバーがいたことに影響を受け、ニーチェやシェークスピアを読んだという。
松任谷由実 / 不思議な体験
http://www.youtube.com/watch?v=3lPUm32Mgrs
記憶に残っているメロディーなのだが、いつの作品かわからない。
バンドが退場。ユーミンがプロコルハルムのメンバーを紹介し、最後にミスター・プロコルハルム・ゲイリー・ブルッカーが登場。ユーミン+プロコルハルムの始まりです。ユーミンは子供のように「PARCO劇場でのデビューの時の様に泣きそうです」と緊張。
Procol Harum / A Salty Dog
http://www.youtube.com/watch?v=f7JBpRragNU
Procol Harum / A Salty Dog, An Old English Dream live in Denmark 2006
http://www.youtube.com/watch?v=3Gi7Z3-T_qQ&feature=related
コーラス付のライブ。
ソルティー・ドッグをユーミンとゲイリー・ブルッカーが歌い終わりました。「不思議な体験」との流れでユーミンがプロコルハルムからどう音楽的影響を受けたか、言葉でなく音で深く理解できました。1階はスタンディング状態。拍手がなかなか終わりません。
続いて、ユーミンも大好きだというHomburg。
イタリアではCamaleonti のカバーで1位になり、イギリスよりもヒットしたL'ora d'amoreのオリジナルヴァージョンです。
Procol Harum / Homburg 1967年
http://www.youtube.com/watch?v=xlZT8vBC7dg
そして、ユーミンが最もプロコルハルムからの影響が強いという「ひこうき雲」と「翳りゆく部屋」にゲイリー・ブルッカーが英詩をつけるという驚くべき試み。
プロコルハルムとユーミンの世界が見事に融合していきます。
荒井由実 / 翳りゆく部屋
http://www.youtube.com/watch?v=aQFprqwui1M
もろにプログレッシブロック。1st、2ndにはあえて入れなかったのだろうか。
そして、ユーミンが「いろんな道を辿ったけれど、やっぱり自分の原点はプロコルハルムだったということを気づかせてくれた」という「青い影」を、ユーミンとゲイリー・ブルッカーが先生と教え子のように一緒に歌いました。
Procol Harum - 青い影A Whiter Shade Of Pale
http://www.youtube.com/watch?v=_prwZpMmheE&feature=fvwp&NR=1
イギリスでは、ビートルズ、ストーンズを抜いて「青い影」が1960年代10年間ののベストソングに選出された。
http://www.youtube.com/watch?v=9SQAdwdTSTM
アンコールも青い影。ゲイリー・ブルッカーがWhen A Man Loves A Womanの1節を歌い、バッハのG線上のアリアを弾いて自分のルーツを示しました。以前青い影のネタはバッハのカンタータ○○番と聞いてピンとこなかったのですが謎が解けました。
Procol Harum - 青い影A Whiter Shade Of Pale オーケストラ付2006年ライブ
http://www.youtube.com/watch?v=aZWaUzZkdys
感動的なライブが終わりました。ユーミンが思春期の13歳のときに聞いた「青い影」のオルガンの衝撃は、私が13-14歳のときには革新的な楽器だったタンジェリン・ドリームやELPのシンセサイザーから受けた衝撃に近いのかなと思いました。
Emerson Lake & Palmer-Hoedown
http://www.youtube.com/watch?v=iFCniNYZoFg
伝説の後楽園球場(東京ドーム)ライブ
http://www.youtube.com/watch?v=lqA3YVrjWn8
レ・オルメLe OrmeはELPの影響を受けています。中学の同級生と伝説の輸入レコード店に行ったとき、Peter Hammill作詞ののFelona&Soronaの英カリスマ盤がありましたが、まだ13歳の思春期だった私はジャケットを見て買えませんでした。
レ・オルメLe Orme / Felona e Sorona 1973年
http://www.youtube.com/watch?v=Gd70mBrJFqc
聞き所 0:00〜3:00、 10:30〜16:15、 30:30〜ラスト
親に怒られると思って買えなかったFelona & Sorona。
PFMより先に英国進出。イタリアでは2位だったがイギリスでは不成功。
ユーミンが17歳のときに最初にレコーディングされた作品で加橋かつみが詞をつけたシングル「愛は突然に」もやってくれないかと思いましたが、これはちょっとマニアックすぎました。でも100%満足のユーミン&プロコルハルムの感動的なライブでした。
愛は突然に / 加橋かつみ
http://www.youtube.com/watch?v=BjT1d4YhwG4
いつかユーミンに「愛は突然に」「いちご白書をもう一度」「まちぶせ」を歌ってもらいたい。
翌日「ユーミンに行ってる場合ではない」と言ったブルーハーツ好きの同僚に「例えるならSex Pistolsとブルーハーツが共演し、Sex Pistolsをバックに甲本ヒロトとジョニー・ロットンがAnarchy in the UKを歌うような歴史的ライブだった」と説明しました。
この日のライブがWOWWOWで放映の予定。
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