2020年10月31日

RIP追悼 Walter Franco 〜 ムゼオ・ローゼンバッハ Museo Rosenbachのもう一人のボーカリスト

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Zarathustraの内ジャケの謝辞の筆頭にWalter Francoがある。
I PoohのDodi Battaglia, Nico Di Palo, Vince Temperaなども挙げられている。

今日の1曲
  Museo Rosenbach - Zarathustra - L'ultimo Uomo 1973年


 イタリアの名盤ムゼオ・ローゼンバッハ Museo Rosenbach - ツァラトゥストラZarathustraの一部のパートでボーカルを担当した Walter Francoさんが亡くなりました。

 今まで知らなかったのですが、ZarathustraのA面の組曲の1曲目の L'ultimo Uomoの前半はWalter Francoが歌っているそうです。後半とそれ以降の曲はStefano "Lupo" Galifiが歌っています。

 ZarathustraのLPの内ジャケットの謝辞に100名ほどの名が挙げられていますが、「特に感謝します」という6人の筆頭にWalter Francoの名がありました。

 メロトロンでも有名な本アルバムの最重要パートL'ultimo Uomoで、同じ曲の中で2人のボーカルを使うというのは凄い手法だと思います。
 
 前半ではイコライザー処理で遠くから響くように聞こえるWalter Francoの声が、後半ではソウル・ブルースのシンガーだったStefano "Lupo" Galifiに変わり、コンプレッサーによって前に押し出された強烈な音圧のシャウトからメロトロンになだれ込む部分は、ロック史上でも屈指の名演でしょう。

Museo Rosenbach - Zarathustra - L'ultimo Uomo (1973)
https://www.youtube.com/watch?v=uC9hegZIC2g


[Strofa 1]  Vocal : Walter Franco 
Volto di luce
Mi hanno parlato di te
La tua storia è nell'eco dei monti
Troppo in alto per scendere in noi
Nel tuo eterno cammino
Quello che insegui non c'è
Senza un fine può esistere la vita
Si completa nell'arco di un giorno

[Strofa 2]  Vocal : Stefano "Lupo" Galifi
Misera ombra, vuoto riflesso dell'io
Non ti serve capire la forza
Che mi spinge a cercare nel mondo
Chiara essenza divina già si nasconde in chi
Sta vivendo il gioco del tempo
Nell'attesa di un'alba diversa






 2013年4月26日に来日公演も行っています。そのときも L'ultimo Uomoの前半は別の人が、後半はStefano "Lupo" Galifiが歌っていました。
 Walter Francoさんのご冥福をお祈りいたします。RIP


来日公演のライブCD



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2020年10月29日

祝・文化功労者受賞・すぎやまこういち 〜 ザ・タイガース The Tigers

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1981年初版。幼少期のクラシックの体験からタイガースなどを作曲した経緯


今日の1曲
 ザ・タイガース The Tigers / 君だけに愛を 1968年
 ザ・タイガース The Tigers / 落葉の物語 1968年
 ザ・タイガース The Tigers / 花の首飾り 1968年
 青山ミチ Michi Aoyama / 風吹く丘で 1966年
 ザ・ダイナマイツ The Dynamites / ユメがほしい 1968年


 ゴールデンカップスの2人のメンバーなど、内外の悲しい訃報が続きましたが、タイガースの作曲家すぎやまこういちさんの文化功労者受賞という明るいニュースが飛び込みました。

 文化功労者では演歌とクラシックの受賞者は過去にありましたが、ポップスについては史上初となります。

文化功労者 受賞者
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96%E5%8A%9F%E5%8A%B4%E8%80%85%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

 タイガースで最初に記憶あるのが4枚目のシングル「君だけに愛を」です。

ザ・タイガース The Tigers君だけに愛を 1968
https://www.youtube.com/watch?v=_246A5mjoL0
貴重なカラー映像。52年前にこれでは当然人気が出るだろう。オリコン2位。

ザ・タイガース The Tigers/落葉の物語
https://www.youtube.com/watch?v=pWWxzvM2eCE
「君だけに愛を」のB面。B面まですごいのがタイガースの魅力。日本初のシンフォニックロック。東京ドーム再結成ライブでもアンコールで演奏。





 続く5枚目がタイガースの最大ヒット「花の首飾り」。
 オリコンで8週間1位。もとはB面だったが、両面A面扱いになったおそらく日本で初めてのシングル。

 タイガースの最初の5枚のシングルについて、すぎやまこういちは「グループサウンズ最高」という本で、クラシックのように緩急緩急緩という組曲形式に作ったと述べています。

ザ・タイガース The Tigers花の首飾り
https://www.youtube.com/watch?v=Khgh1Fb5E4Y

 ピーの著書「花の首飾り物語」でも、タイガースの4声のコーラスは世界でも珍しいものではないかと書かれ、トッポも「花の首飾り」のオーケストラのレコーディングでのすぎやまこういちの目が一番真剣だったと述べています。





ザ・タイガース The Tigers花の首飾り
https://www.youtube.com/watch?v=2qG2deduTyk
これも現存する珍しいカラー映像。1982年ごろこの映像を見た沢田研二が翌日のラジオで「これは人気がでるわ」と語っていた。





 すぎやまこういち最初の有名な曲は、ヒットパレードのテーマソングです。

 ポップソングについては、1966年11月の「青山ミチ/風吹く丘で」が最初と思われます。次が同年12月のシャープホークスの「遠い渚」、そして1967年2月5日タイガースのデビュー曲「僕のマリー」と続きます。

 発売中止となった「青山ミチ/風吹く丘で」は1968年2月25日にヴィレッジシンガーズの「亜麻色の髪の乙女」と改題されてオリコン2位の大ヒット。最近知った青山ミチのヴァージョンはとても情感のある素晴らしい歌だと思います。

青山ミチ Michi Aoyama/風吹く丘で 1966年11月
https://www.youtube.com/watch?v=VbA0Oaz7ipg





 すぎやまこういちは、GSではタイガース、シャープホークス以外に、山口冨士夫のダイナマイツにも2枚目のシングル「ユメがほしい」を提供しています。
 これは1968年3月5日発売で、タイガースの絶頂期にあたります(「君だけに愛を」が1月5日、「銀河のロマンス/花の首飾り」が3月25日)。
 
 山口冨士夫の「So what」にも「ユメがほしい」について、プロダクションがヒットしたトンネル天国に続く2曲目が重要ということで、タイガースのようなヒットをねらったものと書かれています。


ユメがほしい ザ・ダイナマイツ
https://www.youtube.com/watch?v=2Cbf_OwLJTo
以前、遊園地(浅草?)でのプロモーションフィルムを見たことがある。





 すぎやまこういちのGS以降の活躍は、ガロ、科学忍者隊ガッチャマン、帰ってきたウルトラマンなどが思い出深いです。

 1981年にすぎやまこういちは「体験作曲法」という本を出しました。
 当時はポップスの作曲本はほとんどなく、タイガースの曲がたくさん解説されていてたいへん感動しました。シーサイドバウンドは、日本で初めて沖縄音階を、花の首飾りは地中海のドリアン音階を取り入れていました。





 1982年のタイガース同窓会の年に花の首飾りのボーカルの加橋かつみのコンサートがあり、途中でゲストとしてすぎやまこういちさんが紹介されました。客席から舞台に飛び上がるように登場して、バイタリティーのある人だなあと思いました。タイガースのころから加橋君と馬が合ったと言っていました。

 すぎやまこういちはゲーム音楽の大家になりましたが、ドラゴンクエストをやったことがありません。ドラゴンクエストの曲が、テレビでよく聞く有名なメロディーだと最近やっとわかりました。

 すぎやまこういちは私にとっては、やはりタイガースです。
 「グループサウンズ最高」で、「GSは日本の音楽にリズムとハーモニーを残したよね」と語っていました。今回の受賞について、今まで無冠だったが、やっともらえたと語っていましたが、それがポップス初の文化功労者というのはすごいと思います。

 すぎやまこういちさんの、今後の益々のご活躍とご健康をお祈りします。

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2020年10月23日

癒しのメロトロン・オランダ編 Focus, Earth & Fire, Ekseption, Trace 〜 栄光のオランダ・プログレッシブ・ロック Mellotron

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メロトロンの傑作FocusUはオランダ以外ではMoving Wavesとして発売された。


今日の1曲
  Ekseption G線上のアリア Air 1969年
  Ekseption - Italian Concerto 1970年
  Ekseption "Ave Maria" 1971年
  Focus - Le Clochard 1971年
  Focus - Focus II 1971年
  Focus - Eruption 1971年
  Earth and Fire - Song of the Marching Children 1971年
  Earth and Fire – Memories 1972年
  EARTH AND FIRE – Atlantis 1973年
  Ekseption – Romance 1973年
  Focus - La Cathedrale de Strasbourg 1974年
  Focus – One for the road 1974年
  Trace - Gaillarde 1974年
  Trace -Final Trace 1974年
  Trace -Progression 1974年
  Trace -Memory 1974年
  Earth&Fire - Love of Life 1974年
  Earth & Fire - Only Time Will Tell 1975年
  Trace - Opus 1065 1975年
  Trace - King-Bird 1975年
 Trace – White Ladies 1976年
 Finch / Unspoken Is The Word 1977年


 エディー・ヴァン・ヘイレンの故郷がオランダで,幼少からピアノを習っていたことを知りました。そこで、「癒しのメロトロンMellotron」を軸に栄光のオランダプログレッシブロックを1969年から順に聴きなおしてみました。
 
 アムステルダムは、ニューヨークや京都などとともにヒッピーの聖地になってフラワーチルドレンが集まっていました。
 ベトナム戦争の展開と終結が音楽に及ぼした影響も顕著でした。


[ 1969年 ] 
Ekseptionの成功、Earth&Fire結成、Focus結成と反戦ミュージカルHair


 ハーグ王立音楽院で優秀な成績を修めたRick van der Lindenは、1968年にキースエマーソンのナイスの公演でバッハのブランデンブルグ協奏曲を見て、Ekseptionのクラシックロックの方向性を決定。1969年にベートーベンの運命を編曲して5週間1位になる。同年の1stアルバムで、オランダで最初と思われるメロトロンMellotronをG線上のアリアAirで使用。

Ekseption G線上のアリア Air
https://www.youtube.com/watch?v=C_I031TWIXE
2:47あたりからメロトロンM300のストリングス・メロトロンがバックに使用されていると思われる。






 オランダ初の全米ビルボード1位となったヴィーナスのショッキング・ブルーに続いて、女性ボーカルJerney Kaagman, 双子の兄弟 Chris and Gerard KoertsがビートバンドEarth&Fireを結成し、シーズンでデビュー。日本を含め、世界的にヒットする。

 Focusが結成され、12月から翌年6月まで、反戦ミュージカルHairのサポートバンドになる。


[ 1970年 ] 
Focus1stアルバム


 エクセプションがヒット曲を連発。メロトロンも使用しているがバックに流す程度だった。
 アース&ファイアーもビート系でヒット曲を出し続ける。
 
Ekseption - Italian Concerto
https://www.youtube.com/watch?v=hcBMOMPTj5o
1:39 控えめだがチェンバロのバックでストリングスメロトロンが聴こえる。

Ekseption - Italian Concerto Live
https://www.youtube.com/watch?v=8nh-j2Z81pQ
メロトロンは未使用だが、1:18のチェンバロ(クラビネット)が素晴らしい。





 Focusが1stアルバムを発表し、インスト曲シリーズ「Focus」の第1曲目Focusでメロトロンを使用する。


[ 1971年 ]
メロトロンの傑作FocusUとメロトロンによるEarth and Fireの転身


 エクセプションはオランダでヒット曲が続く。メロトロンの使用は控えめ。

Ekseption "Ave Maria"
https://www.youtube.com/watch?v=zRIi_BfW-UU
Rick van der Lindenの情熱が伝わる映像。控えめだが、2:18のエンディングでメロトロンが使用されていることが感じられる。



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 1971年10月、Focusがメロトロン史上の傑作FocusU(オランダ以外ではMoving Waves)を発表。LPはオランダで4位、全米で4位、シングルHocus Pocusも(日本では「悪魔の呪文」として)ヒット。

Focus - Le Clochard 
https://www.youtube.com/watch?v=fc1KAtDjORc
Hocus Pocusに続くA面2曲目。メロトロン史上屈指の名曲
ヤン・アッカーマン=作曲・ギター タイス・ヴァン・レアー=メロトロン

Focus II
https://www.youtube.com/watch?v=ike5HEWMrX8&list=PLA2-nXsHvm3JR4XJivpexzuOEtBIz-JiY&index=7
2:32 天空を舞う癒しのメロトロン

Eruption
https://www.youtube.com/watch?v=t3_hJ_032Z8&list=PLA2-nXsHvm3JR4XJivpexzuOEtBIz-JiY&index=8
5:08 癒しのメロトロン
17:17 メロトロンによる別次元の音





 Earth and FireもシングルA面のInvitationでハモンドオルガンを使用。
 B面の2ndアルバムの先行シングルヴァージョンSong of the Marching Childrenでは突如メロトロンを導入し、プログレッシブバンドに転身。

Earth and Fire - Song of the Marching Children シングルヴァージョン
https://www.youtube.com/watch?v=ZNzZkAd-90o
LPヴァージョンと比べるとまだ未完成。ここから練り上げられたことがわかる。

 次のLP先行シングルStorm And ThunderはA面でメロトロンを使用。
 同じバンドか?と思えるほど、ビートバンドの面影は全くない。

Earth & Fire - Storm and Thunder (Lyrics)
https://www.youtube.com/watch?v=buLyiIJKCxE

 2ndアルバムSong of the Marching Childrenは前作と全く異なるトータルアルバムになる。
 メロトロンはEkseptionの使用していたものと同じとの情報もある。

Earth and Fire - Song of the Marching Children Studio LPヴァージョン
https://www.youtube.com/watch?v=-FZ1q7UxviQ
2:18からメロトロン。シングルヴァージョンと歌詞も異なり、メロトロンサウンドもスケールアップ


日本盤シングル1971年8月Song of the Marching Children
オランダ本国とはAB面が逆。InvitationがB面になっている。
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[ 1972年 ]  
メロトロンの最大ヒット曲Earth and Fire / Memories

Earth and Fire - Song of the Marching Children Live ヴァージョン
https://www.youtube.com/watch?v=QoQXhRCxILQ
0:30メロトロンライブの貴重なカラー映像。Studioヴァージョンよりさらに深遠なメロトロン。

Earth & Fire - Memories
https://www.youtube.com/watch?v=d0vT-ERKSFs
世界的にも珍しいメロトロン漬けシングルヒット。
オランダで2週間1位。





Focusは2枚組LP「FocusV」を発表するがメロトロンは未使用。

Focus - Sylvia (Live at Top Of The Pops, UK / Live at TopPop, NL - 1972)
https://www.youtube.com/watch?v=5YxNCL39wBI&list=PL8a8cutYP7fq74uWwQ-pBA8CYHkdm2Qy2&index=3
インストで全英4位のヒットになった名曲。

Focus - Elspeth of Nottingham
https://www.youtube.com/watch?v=qEZdXfcOdLY&list=PL8a8cutYP7fq74uWwQ-pBA8CYHkdm2Qy2&index=7
Jan Akkermanの美しいリュート



[ 1973年 ] 
Earth and Fireのメロトロン大作Atlantis


 Focusのシングル「シルヴィア」が全英4位。英メロディ・メーカー誌での人気投票で、10年間連続でギタリスト部門のトップにいたエリック・クラプトンを抜いて、ヤン・アッカーマンがトップとなる。

 EARTH AND FIRE は全編メロトロンが使用されたトータルアルバム Atlantisを発表。イタリアンプログレッシブロックの全盛期と重なる。シングルMaybe Tomorrow, Maybe Tonightはオランダで3位となる。

EARTH AND FIRE - Atlantis
https://www.youtube.com/watch?v=KwpBkZhpGsw&t=1517s

EARTH AND FIRE - Atlantis 1973 当時の映像
https://www.youtube.com/watch?v=tm1APRmVgGk

Earth And Fire - Maybe Tomorrow, Maybe Tonight Live
https://www.youtube.com/watch?v=EGsIHi74LrE
0:07、1:15でメロトロンM400の実演が見れる。

Earth and Fire - Maybe Tomorrow Maybe Tonight. Studioヴァージョン
https://www.youtube.com/watch?v=yL6rMomAA40
0:11メロトロンM400が映る





 エクセプションのトリニティーを最後にRick van der Lindenが脱退。

Ekseption - Romance
https://www.youtube.com/watch?v=23x-Bcs3TAQ
冒頭で明らかにメロトロンが聴こえる。Traceへの移行が感じられる。


[ 1974年 ] 
Focusの傑作Hamburger Concerto 〜 Trace 1st でメロトロンが爆発

PFMとともにヨーロッパプログレッシブロックとして人気を誇ったフォーカス
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 Focus の Hamburger Concerto1974年1月録音、4月リリース。
 タイスは力強さと目的を持った最初の作品と評価し、マイク・ヴァーノンもMoving Wavesとともにベストアルバムに挙げている。


Focus - Hamburger Concerto
https://www.youtube.com/watch?v=xI5ARFrBqAA
11:20  La Cathedrale de Strasbourg メロトロンではないが厳粛な素晴らしいコーラス。
37:08 最終曲の最終パートOne for the roadでコーラスメロトロンとARP2600シンセサイザーが唸る。39:45壮大なコーラスメロトロンで幕。





Focus - FocusU 
https://www.youtube.com/watch?v=M_sh98umh7E
1974年6月 メロトロン入りのライブ(0:00 - 4:25)


1stアルバムTraceからのシングルカット
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 Rick van der LindenがキーボードトリオTraceを結成し、全編においてメロトロンが爆発する1stアルバムTraceを発表。イギリスで権威のあるライブ番組にも出演。Rick van der Lindenはキース・エマーソン、リック・ウェイクマンと並ぶキーボーディストだった。

Trace Gaillarde Mellotron実演ライブ
https://www.youtube.com/watch?v=8vsQVsib9Kk
0:33右手でハモンドを弾きながら、左手でストリングスメロトロン
1:06 上からのアングルで捉えた凄い映像。ストリングスだったメロトロンをコーラスに切り替えている。5:42からストリングスメロトロン。上からの映像はカッコよすぎる。オランダのテレビ番組のスタッフに敬服だ。
6:40 エンディングもコーラスメロトロン

Trace Gaillarde The Old Greay Whistle Test 1974 BBC
https://www.youtube.com/watch?v=kndiVcSos5c
5:58 ストリングスメロトロン

Trace / Trace 全曲
https://www.youtube.com/watch?v=7re8_gDZOFI&t=1663s
5:00  Gaillarde ストリングス+ブラスのメロトロン二重奏
18:29, 20:00 小曲の中にストリングス+コーラスのメロトロン。
27:40 Progression Moog+Strings Mellotron によるB面のハイライトで、短く編集されてシングルカットされた。
38:18 Memoryというタイトルのようにリック・ヴァン・ダー・リンデンにとって最も重要なパートのようだ。癒しのコーラスメロトロン。41:35ドラムソロの直前にブラス系メロトロン。46:00再び冒頭のコーラスメロトロン
45:20 最終曲Final Traceのラスト数秒でもMemoryのフレーズ。





 トレースは、1975年の次作BirdsのB面の大作King Birdのシングルヴァージョンを先行シングルとして1974年に発表。
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Trace / Birds  single version
https://www.youtube.com/watch?v=tWTN2mcxvRA
39:45がシングルヴァージョン。コーラスメロトロンから始まる。翌年のLPではドラムスが交替し、テーマのメロディー以外はほとんど異なる内容。


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 Earth&Fire は、1974年6月、これもメロトロン漬けのLove of LifeがTo the world of futureの先行シングルとして発売し、オランダで2位のヒット。

Earth&Fire - Love of Life
https://www.youtube.com/watch?v=Pp0gTI4BjrE
現実と非現実の境界線で吸い込まれるようなメロトロン


[ 1975年 ] 
ベトナム戦争終結 Trace / Birds


 ベトナム戦争終結により、アムステルダムのヒッピームーヴメントも終焉。
 アース&ファイアーは劇的に変化。To the world of futureがプログレッシブロックバンドとしての最後の作品といえる。

Earth & Fire - Only Time Will Tell
https://www.youtube.com/watch?v=WXLnD30_a7A
LPからカットされた寂寥感あるメロトロン曲。オランダで12位。
1975年ではケストレルと並んで世界一では。





Earth & Fire - Thanks For The Love (1975)
https://www.youtube.com/watch?v=MmqXh6ALZdI
ベトナム戦争終結で憑りつかれた魔法が解けたように全く別のバンドに変化。
Le Ormeの1976年のCanzone d’amoreを思わせる。オランダで8位。


 一方で、トレースは2ndLPのBirdsで、ダリル・ウェイのウルフにいたイアン・モズレーにドラムスを替え、ELPのようなキーボードトリオの音を極める。
 エクセプション時代にできなかったことを全て叩き込んでいるようだ。

Trace - Bourrée
https://www.youtube.com/watch?v=j3MIFrkkAM0
1曲目。エクセプションからのクラシックロックの極めつけ。メロトロン未使用。

Trace - Opus 1065
https://www.youtube.com/watch?v=K493lE0wDbQ
イントロから20秒のストリングスメロトロン、7:05からラストのフェードアウトに癒される

Trace - King-Bird
https://www.youtube.com/watch?v=8vPd5OwJ80k
20分間の緩急組曲で、随所にメロトロンが使用され見事としか言えない。
11:40のコーラスメロトロンから14:47までがこの曲の中間のハイライト。13:06のブラス系のメロトロンが頂点。
20:00から20:42のエンディングでコーラスメロトロンが響き渡る。パイプオルガンが楽器の王様で、メロトロンは女王という雰囲気。続く「回想」曲でもコーラスメロトロンが余韻を残す。





 Focusは前作で力を出し尽くしたように、1975年10月発売のMother Focusは読売新聞の批評でもFather Bach以外にかつてのFocusは感じられないと書かれた。反戦ミュージカルヘアーから始まったFocusもその使命を果たしたようだ。

"Father Bach" 
https://www.youtube.com/watch?v=hwnqQy9Q0-A
マタイ受難曲第1曲を編曲。メロトロンは未使用。


[ 1976年 ] 
オランダ・メロトロンの最後の輝き Trace / White Ladies


 トレースも前作Birdsで力を出し尽くしたように、エクセプションのメンバーのサポートで1976年に3rdアルバムWhite Ladiesを発表。
 前作のような鋭さはなく、穏やかなトータルストーリーとなっている。

Trace / White Ladies 1976
https://www.youtube.com/watch?v=uaItGq19wRE
38:45 Traceラストアルバムの最終曲も、感涙のコーラスメロトロンで幕。

  タイス・ヴァン・レアーは、ヨーロッパのマイナーなコードから離れて幸せな音楽を作りたいと述べ、ヤン・アッカーマンはFocusを離れる。
 Focusは現在に至るまで、タイス・ヴァン・レアーを中心に活動している。

Focus - Focus V
https://www.youtube.com/watch?v=27uhBtNl2EQ
未発表音源などによるShip of memoriesから。


[ 1977年 ]
栄光のオランダ・プログレッシブ・ロック

 自分にとってオランダ・プログレッシブロックの最後の輝きは、1977年、Finchの3rdアルバムの1曲目 Unspoken Is The Word。

Finch / Unspoken Is The Word 1977年
https://www.youtube.com/watch?v=c-tH3E8JnFQ
イタリアのLocanda delle fateも1977年だった。





 Earth & Fireは1979年にプログレッシブロックとの決別ともいえる「Reality fills fantasy」発表し、Weekendがオランダやドイツで1位になる。

Earth & Fire - Weekend
https://www.youtube.com/watch?v=jbvj8KU57aw

 Earth & Fireは最後のアルバム1982年のIn a State of FluxまでMellotronを使い続けました。

Van Halen - Jump 1984年
https://www.youtube.com/watch?v=bq-potK_7Ts





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posted by カンカン at 23:40| 神奈川 ☁| Comment(0) | メロトロン Mellotron  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月21日

追悼RIP・スペンサー・デイヴィスSpencer Davis 〜 Gimme Some Lovin' キーボード・プログレッシブロックの先駆者

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今日の1曲
  The Spencer Davis Group - Gimme Some Lovin' 1966年


 再びイギリスから訃報です。「キープ・オン・ランニング」「愛しておくれ」「アイム・ア・マン」などのヒット曲で知られるスペンサー・デイヴィス・グループの創設者、スペンサー・デイヴィスが10月19日に亡くなりました。

 「愛しておくれ(ギミ・サム・ラヴィン)」はイギリスでチャート2位になり、世界的にヒットしました。日本にも影響を与えました。1960年代の横浜のライブハウスをリアルタイムで経験した人から、自分の体験ではパワーハウスになる前の時期のベベズが横浜では一番凄くて、Gimme Some Lovin'をゴールデンカップスを超えるような凄い迫力で演奏していたと聞きました。

  "Gimme Some Lovin'"は、” the Rolling Stone magazine's list of The 500 Greatest Songs of All Time”で247位にランクされています。そのリフは、Led Zeppelin - Baby, I'm gonna leave youやシカゴの長い夜にも影響を及ぼしているでしょう。

 グループ結成時に弱冠14歳だったというスティーヴ・ウィンウッドは、後にFocusを結成するタイス・ヴァン・レアーにも影響を与えました。青い影、Niceとともにスペンサー・デイヴィス・グループはキーボード主体のプログレッシブロックの先駆者といえるでしょう。

 スペンサー・デイヴィスのご冥福をお祈りします。RIP

The Spencer Davis Group - Gimme Some Lovin'. Stereo 1966
https://www.youtube.com/watch?v=ko3m0NBbq1o

Spencer Davis Group - "Gimme Some Lovin" (1966) Live
https://www.youtube.com/watch?v=qPgUhDaAWho





posted by カンカン at 07:10| 神奈川 ☀| Comment(0) | イギリスのロック British Rock & Pops  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月19日

追悼RIP・ゴードン・ハスケルGordon Haskell 〜 2ndアルバムIt is and it isn’tとKing Crimson

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知られざる大傑作 2ndアルバムIt is and it isn’t


今日の1曲
 Gordon Haskell - アルバム It is and it isn’t 全曲1971年
 King Crimson - Cadence and Cascade 1970年



 キング・クリムゾンが1970年に発表したセカンド・アルバム『In The Wake Of Poseidon(ポセイドンのめざめ)』(一部)とサード『Lizard(リザード)』の制作に参加したヴォーカリスト/ベーシストのゴードン・ハスケルが、74歳で亡くなりました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3b9e8863e84f2f52bb3da81f0182370e9a45fc0f


〜 傑作2ndソロアルバム 〜 Gordon Haskell "It Is & It Isn't" (1971)


 ゴードン・ハスケルを初めて知ったのはキング・クリムゾンのリザードでした。しかし、B面の1曲目のジョン・アンダーソンのハイトーンの方がインパクトがあり、印象に残りませんでした。

 次にゴードン・ハスケルを知ったのは、2ndソロアルバム"It Is & It Isn't"です。カットアウトのアメリカ盤でしたが素晴らしいジャケットと音楽の内容に魅了されました。今まで聴いたボーカルアルバムでも最高の1枚でした。

 Gordon Haskell "It Is & It Isn't" (1971) - Full Album
https://www.youtube.com/watch?v=BZnOXi71yIA&list=PL8a8cutYP7fqPzAwdqcT1UdqSl8c9_G-B&index=2
LPのA面、B面12曲通して、流れるように素晴らしい。ビートルズレベルのメロディーセンスをもったAORの先駆者とも言える知られざる超名盤。
SSW系歌物では、Ciro Dammiccoの1st、Tony Kosinec / Bad Girl Songs, 荒井由美「ひこうき雲」、久保田早紀「夢語り」、Riccardo Cocciante / Margheritaと並んで好きだった。





 2ndが素晴らしかったので、1stアルバム“Sail in my boat”に憧れましたが、入手困難で聴くことはできませんでした。
 久々に、2ndアルバムを聴きなおしましたが、やはり素晴らしい。50年もたっても色あせない名盤だと思います。






〜 キングクリムゾンのゴードンハスケル 〜


 今回、ゴードンハスケルがキングクリムゾンを脱退したのは、自分の力がキングクリムゾンでは発揮できなかったからだったということがわかりました。
 Otis Reddingのような歌が好きだったそうです。
 
King Crimson - Cadence and Cascade (1970)
https://www.youtube.com/watch?v=VbVjLPFhpcs
今まで、ゴードン・ハスケルのボーカルとは知らなかった。アコースティックギターに合う味わいのある歌。

King Crimson - Cadense And Cascade ( Greg Lake Vocal Version )
https://www.youtube.com/watch?v=Y3CE7Pz6Ynk
LP製作中に脱退したグレッグ・レイクがゴードンハスケルのためボーカル・ガイドに歌ったヴァージョン。





King Crimson - The Battle Of Glass Tears
https://www.youtube.com/watch?v=us4BlXcPIig
この曲も2:23からのメロトロンが強烈で、その前のゴードンハスケルのボーカルは覚えていなかった。今聞きなおすと複雑な曲の中で重要な導入部だった。





 ゴードンハスケルの"It Is & It Isn't"のボーカルは、十代のころに派手なインストロックだけではない音楽の深い感動を教えてくれた1枚でした。
 RIP 


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posted by カンカン at 14:50| 神奈川 ☔| Comment(0) | イギリスのロック British Rock & Pops  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月15日

追悼・筒美京平 〜 トランスの元祖オックスと太田裕美のクラシカルポップ

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今日の1曲
 太田裕美 / 九月の雨 1977年
 太田裕美 雨だれ 1974年
 オックス / スワンの涙 1968年
 オックスOX/オックス・クライOx Cries (1969年)ライブ


 日本歴代1位のヒット曲を作った作曲家筒美京平さんが亡くなりました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AD%92%E7%BE%8E%E4%BA%AC%E5%B9%B3
1940年新宿牛込生まれだと空襲も体験されたのだろうか。


 本ブログがスタートした2008年6月2日「今日の1曲」の第1曲目が、太田裕美の「9月の雨」でした。その後、太田裕美のコンサートに2度通い、ブログでも書きました。筒美京平は太田裕美の黄金期のほとんどの曲を作りました。






〜 1968年のGS オックス 〜 トランスの元祖 〜
 
 
 オックスの「スワンの涙」は子どものころの音楽原体験の一つでした。筒美京平は、タイガース、テンプターズに対抗するため、オックスのデビュー曲から5枚のシングルAB面すべての作編曲を作詞家の橋本淳とともに任されたのでした。

 近田春夫の1979年の著書「気分は歌謡曲」の「初版」に、全くメディアに出なかった筒美京平の希少なインタビューが掲載されていました。近田春夫のヒット曲に関する質問に対して、「それはやっぱり長年のカンかなあ。もしかしたら、グループサウンズのあのムーヴメントが、ただで終わっていないのかもしれない」と語っていたのが一番印象に残っています。

 筒美京平の最初のオリコンベスト10ヒットが1968年のオックスの「ガールフレンド」と「スワンの涙」。筒美京平は「ヒット曲をだしたときの快感、醍醐味はあたってみないとわからない」と述べています。 

オックス スワンの涙
https://www.youtube.com/watch?v=e6wSlMFMPiQ
間奏でビートルズのインマイライフのようなクラシック風のピアノが入る。
筒美京平のルーツはクラシックで、歌謡曲は聞かなかったという。その後ジャズコンボを結成し、レコード会社に就職後、タイガースの作曲家すぎやまこういちから作曲を学んだ。


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 オックスは演奏者も観客も失神するというトランス状態を最初に引き起こしたバンドでもありました。
 これによってGSのコンサートが各地で禁止になり社会問題になりました。

オックス 失神パフォーマンス
https://www.youtube.com/watch?v=LwsFM2u9M7o
伝説の失神パフォーマンスの秘蔵映像。宝塚を参考にしたともいうが、実際の映像を見るとすごい迫力がある。テレビ出演者も皆唖然としている。

オックス 失神について 赤松愛
https://www.youtube.com/watch?v=KZ5XD-7YYbA
その後、ビーイングブームをプロデューサーとして支えたギターの岡田志郎は「あれはトランス状態になってステージに倒れ込んだのが発端」と語っている。野口ヒデトは「今のXのヨシキ君がかつてのオックスだった」と語っていた。

オックスOX/オックス・クライOx Cries (1969年)ライブ
https://www.youtube.com/watch?v=NAdk-Ae6NRs
スワンの涙のB面。オックスのトランス感覚が最も現れた筒美京平作編曲によるオリジナル曲。ライブ盤「OX ステージNo.1」より。観客の熱狂状態を伝えるライブ。ドラムとギターソロもすごい。






〜 1974年の太田裕美 〜 クラシカル・シンフォニック・ポップ


 太田裕美の1974年11月1日のデビュー曲「雨だれ」は、日本では少ないヨーロッパ風のシンフォニックポップスの名曲。クラシックから始めたという筒美京平の作品中で最もクラシカルな作品。近田春夫とのインタビューでも、筒美京平はバート・バカラックから最も影響を受け、しっとりしたものが好きという。

 松本隆が「はっぴいえんど」解散後に生活のため歌謡曲の作詞家となり、かつての仲間から四面楚歌となったとき、「最初に戦った」のが太田裕美だったと語っていました。松本隆も、筒美京平は「最初から兄弟で、ピッチャーとキャッチャーで、今は右半身と左半身が引き裂かれる思い」と追悼していました。

太田裕美 雨だれ
https://www.youtube.com/watch?v=DYvlN9QgkQY
ショパンのようなイントロで始まるデビュー曲。太田裕美自身も弾き語りをしていた。編曲は萩田光雄。筒美京平は編曲家も自分で決めていた。

太田裕美 雨だれ ライブ
https://www.youtube.com/watch?v=okKuxME5cYE
https://www.youtube.com/watch?v=J84mg3t6RmY

 ピアノとストリングスの響きが美しい1977年の「九月の雨」は、作詞松本隆、作編曲筒美京平による、クラシカルポップの集大成だと思います。
 思えば、小学生・中学生時代にテレビラジオで流れる筒美京平の曲は、生活の一部でした。いままでありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

太田裕美 / 九月の雨
https://www.youtube.com/watch?v=yoYfq3xG8Kw





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2020年10月08日

追悼RIP Gianfranco Lombardi U 〜 カッコいい女性ボーカル・イタリア編 オルネラ・ヴァノーニ Ornella Vanoni U

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国内シングル盤 オルネラ・ヴァノーニ Gianfranco Lombardi編曲
 A面 逢びき L'Appuntamento  1970年
 B面 陶酔のとき Il Tempo Di Impazzire 1971年


今日の1曲
 オルネラ・ヴァノーニ Ornella Vanoni
       - La voglia di sognare 1975年
  Ornella Vanoni - 陶酔のとき Il Tempo Di Impazzire 1971年
  Ornella Vanoni – 逢びきL'Appuntamento  1970年
          「小さな村の物語イタリア」テーマ曲


 Umberto BalsamoのMai Piuを1982年に聴いて以来、Gianfranco Lombardiは私にとって最高のアレンジャーの一人でした。しかし、イタリアでGianpiero Reverbeliの名は多くのレコードでみつけられたのですが、Lombardiの名は見当たりませんでした。

 最近、オルネラ・ヴァノーニOrnella Vanoni の1975年のシングル La voglia di sognareのアレンジが、Lombardiによることがわかりました。この曲は最近発見した曲の中では一番美しい曲の一つです。特にロンバルディによるイントロは素晴らしい。

 そこで今回は、「カッコいい女性ボーカル・イタリア編」オルネラ・ヴァノーニ Ornella Vanoni の2011年12月23日以来、9年ぶり2回目の登場です。


Ornella Vanoni - La voglia di sognare
https://www.youtube.com/watch?v=Nwx6ADLrrMc
白黒映像

Ornella Vanoni - La voglia di sognare
https://www.youtube.com/watch?v=VXqpdS7LD8o
カラー映像

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 La Voglia di Sognareは、Carla VistariniとLuigi Lopezによって書かれ、1974年に歴史的なラジオ番組GranVarietàのテーマソングに使用され、1975年にイタリアの権威あるイタリアレコード批評家賞 il Premio della Critica Discograficaを受賞しました。ちなみにOsannaは、1971年のL’uomoと1978年のSuddanceで2回、この賞を受賞しています。

 作詞家Carla Vistariniと作曲家Luigi LopezのコンビはRiccardo Fogliなどの多くのヒット曲を送り出しています。La Voglia di Sognareは、Vanoni、Vistarini、Lopez、Lombardiの4者にとって、最高作の一つといえるのではないかと思います。





 そして、ヴァノーニの1970年代のAristonやVanilaレーベルの作品のほとんどがロンバルディの編曲だったことを知りました。1970年代初期のMinaとReverberiのような関係にあったようです。そのような経歴があったから、BalsamoやNew Trollsであのような素晴らしいアレンジができたのかと初めて納得しました。

 Vanoniの1976年のPiuはNew Trollsが演奏を担当しましたので、そのつながりからロンバルディがNew Trolls の1978年のAldebaranの編曲をサポートしたのかと思われます。

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Ornella Vanoniの1964年以降のシングルチャート。1967年のLa musica è finitaが最初のLombardiの編曲。1970年代の多くはLombardiによる。

 Vanoniは1965年から1970年にかけてSanremo音楽祭に5回出場して、カーザビアンカで最高2位を受賞し、イタリアではMinaと並ぶ大スターでした。ですから、このころのVanoniの映像は、有無を言わせぬカッコよさがあります。

Ornella Vanoni - 陶酔のとき Il Tempo Di Impazzire 1971年
https://www.youtube.com/watch?v=Hlb-6jEHD1o
口パクだが、かっこいいライブ。
音源はロンバルディ編曲のオリジナルヴァージョン 

Ornella Vanoni - 陶酔のとき Il Tempo Di Impazzire 1971年
https://www.youtube.com/watch?v=Jx7PGJPLYus
ロンバルディ編曲の音源で実際にヴァノーニが歌ったライブ映像。





 日本でも最近、BS「小さな村の物語イタリア」のテーマ曲でヴァノーニの「逢いびき」が毎回使用され、知られるようになりました。これもロンバルディの編曲でした。
 改めて、ジャンフランコ・ロンバルディのご冥福をお祈りします。

「小さな村の物語イタリア」テーマ曲 逢いびき(イタリア語歌詞付) 歌手:オルネラ・ヴァノーニ   L'appuntamento, Ornella Vanoni
https://www.youtube.com/watch?v=xe_B9BWkHkw
オリジナルヴァージョン

Ornella Vanoni - L'Appuntamento (1971)
https://www.youtube.com/watch?v=wLa4YpCSd5M
ロンバルディ編曲のオリジナルヴァージョンのオケで歌うライブ







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2020年10月04日

追悼RIP Gianfranco Lombardi ジャンフランコ・ロンバルディT 〜 Umberto BalsamoとNew Trolls

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今日の1曲
  Umberto Balsamo - Vivi come vuoi  1982年
  Umberto Balsamo - Quando ci si lascia 1982年
  New Trolls ‎– Là Nella Casa Dell' Angelo 1981年


 また、たいへん思い出深いイタリアの編曲家Gianfranco Lombardiが79歳で亡くなりました。Lombardiは、1963年にAdriano CelentanoのバックバンドI Ribelliにベースで参加後、編曲家となり、400の作品に参加しました。

https://it.wikipedia.org/wiki/Gianfranco_Lombardi_(pianista)

 本ブログを2008年に始めたときの「今日の1曲」の3曲目がウンベルト・バルサモUmberto Balsamoの「愛を置き去りにして Quando ci si lascia」でした。そのときは音源がみつかりませんでした。

2008年6月4日 今日の1曲 B Umberto Balsamo
http://soleluna.seesaa.net/article/99377111.html

 この曲が入ったアルバム「Mai Piu」は、全曲バルサモ作詞作曲、ジャンフランコ・ロンバルディ編曲です。曲とアレンジが、1+1=2ではなく、3,4になる稀有の例の一つだと思います。

 このアルバムを購入して本当によかったと思います。1983年から山口冨士夫のライブに行くようになったころ、加部正義のMoon like a moonなどとともに家で一番多く聴いたレコードでした。バルサモがきっかけで、イタリアンポップスへの関心が一挙に高まりました。

 Polydor時代の作品はCDで再発されましたが、このFonit-Cetraの作品はCD化されていません。8曲とも素晴らしい大名盤だと思います。幸運にも全曲Youtube のUmberto Balsamoのチャンネルで聴けるようになりました。

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1985年にスイスで買ったシングル盤

Umberto Balsamo - Vivi come vuoi
https://www.youtube.com/watch?v=dIO5oZsLhoM&list=OLAK5uy_mARps2sGD4AQ1hOFPVB-6K5yxpBhOHmao&index=5
LPのB面1曲目。別次元に吸い込まれるストリングスは生音でなくシンセサイザーと思われるが、1982年まででは聴いたことがなかった音。本アルバムではYMOのようにシンセサイザーのプログラマーがクレジットされている。

Umberto Balsamo - La radio
https://www.youtube.com/watch?v=YQlvaKNpw6c
A面の3曲目。エンディングでソリーナのストリングスのような音が拡がる。
Popol VuhやTangerine Dreamの全盛期のような透徹した哀感。

Umberto Balsamo – 愛を置き去りにしてQuando ci si lascia
https://www.youtube.com/watch?v=35Z3m8A5Wvc
B面3曲目。本アルバムのハイライト。Nataliと双璧。




Umberto Balsamo -おやすみなさいUn saluto
https://www.youtube.com/watch?v=NWjJr87Fulg
B面最後の曲は、本アルバムのスタッフと自分に対する慰労で、プロデューサー・バルサモの達成感が感じられる内容の詞。

「僕と同様、疲れ切ったアレンジャー(ロンバルディ)
良くやった フィネッティ(サウンドエンジニア) ありがとう
今じゃ 皆 一人前
僕は お役ごめんだね

おやすみなさい
なぜか ひとりぼっちの人に おやすみなさい
それから 自分にも おやすみ」


 その後、40年間ロンバルディの編曲は、バルサモ以外にみつけられなかったのですが、New Trollsの1981年の名曲 Là Nella Casa Dell' Angeloの編曲が、New TrollsとLombardiの共同作業だったことが、New Trolls のGianni Bellenoの追悼文から初めてわかりました。

  Là Nella Casa Dell' Angeloは人気音楽番組「Discoring」のテーマ曲で、個人的にはConcerto Grosso Adagioに次ぐ、New Trollsの最高楽曲。 

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New Trolls ‎– Là Nella Casa Dell' Angelo 1981年
https://www.youtube.com/watch?v=i0KDP2RCo8E
2:20〜の最大のハイライトもLombardiの力に負うところが大きいのだろう。
Balsamoが翌年、New Trollsと同じCetraに移籍してLombaldiを起用したことへも影響があると思われる。

 さらに1978年のAldebaranの編曲も、New TrollsとLombardiの共同作業だったことを知りました。

New Trolls - Quella carezza della sera (Discoring 07/01/1979)
https://www.youtube.com/watch?v=SAr-n-aZZMY
New Trollsのシングルでは最大ヒット曲。

New Trolls - Suite disco
https://www.youtube.com/watch?v=lSq8L_pNpJI
この曲もNew Trollsの楽曲とバンドアレンジにLombardiが加わって素晴らしい展開になっている。





 ブログでも次々と追悼が続き、たいへん寂しいですが、ショーケンが亡くなったころから、故人への今までの感謝の気持ちを強くするようになりました。
 RIP Maestro Gianfranco Lombardi

 Gianni Bellenoの追悼文
 「人生が私たちに与えてくれたものを私たちから奪うことはできません。ジャンフランコ大好きです。もう一度やります..... R.I.P!!!!」 

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